FRB、利下げ時期をリセット-十分に景気抑制的な金利水準か自問も
(ブルームバーグ): 失望すべき内容のインフレ統計が続いたのを受け、米金融当局は最初の利下げ時期をリセットするとともに、物価動向の道筋を見直すことを余儀なくされている。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は16日、利下げに必要な確信を得るのに「想定よりも時間がかかる」可能性があると述べ、こうしたメッセージを強固にし、年内の利下げ回数が2回を上回るとの期待に冷水を浴びせた。今年は利下げが全くないかもしれないとの懸念も一部浮上している。
KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「これは米金融当局が根気よく待つ方針であることを確認するものだ」とし、「景気刺激にほとんど労力を要することがなく、引き続き多くの需要があることに懸念がある」と指摘した。
パウエルFRB議長、利下げ開始の先延ばし示唆-インフレ根強く
金利調整の差し迫った必要性はないとするパウエル議長の姿勢は他の金融当局者も共有するものだ。だが、米経済や労働市場の堅調持続は年初の相場上昇と相まって、金融政策が実際にどの程度景気抑制的であるかについてあらためて議論を促している。
FRB当局者、利下げ急ぐ必要ないと強調-地区連銀総裁が相次ぎ発言
米金融当局者は、これまでの政策金利引き上げでも需要抑制に十分効果を上げていないのではないかと懸念の声を強めており、投資家やアナリストの間では当局が追加利上げする必要があるかもしれないとの懸念が高まっている。
当局者の大多数は金利がピークにあると見込んでいることを明確にしているものの、一部の当局者はインフレ抑制のために万が一必要となれば、さらなる利上げのアイデアにオープンな姿勢を表明している。
現行の政策が景気抑制的であるとするニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日、追加利上げは自身の基本シナリオではないと説明。ただ、当局の物価目標の達成のため、経済データで利上げが正当化されるのであれば、その可能性があると付け加えた。