パリオリンピック女子レスリング 藤波朱理の強さの理由を先輩オリンピアンが振り返る
【連勝記録が途絶える時が来ても...】 幼少期から一番近くで支えてもらい、師事してきた父と一緒に戦った、初めてのオリンピック。ふたりが日の丸を掲げる姿に、会場は割れんばかりの拍手が鳴り響いた。 「もう、オリンピック最高! レスリング最高!」 試合後のインタビューで、笑顔で思いっきり叫ぶ姿は、試合の時のそれとはまったく違い、普通の20歳の大学生そのものだった。 かつての吉田沙保里もそうだったように、きっといつかは連勝記録が途絶える時が来るかもしれない。しかし、それだけにとらわれず、彼女らしいレスリングを突き詰めて、最後はいつも「レスリング最高!」と叫んで笑っていてほしいと切に願う。 これから先、彼女は私たちに新しい世界をどれだけ見せてくれるのだろうか。これからの藤波朱理が本当に楽しみだ。
佐野美樹●取材・文 text by Sano Miki