なぜ<老害>だと思われるのか。考え方が固くなるのは、歳を重ねたからではない。最新情報の収集で対策を
◆「何でも話し合える関係」で起こり得ること 今の時代は、このやり方とは反対に「師匠と弟子」の間にお互いに何でも話し合える関係性を作り、弟子側が自主性をもって成長しようとする時のメンター役として師匠がいるという環境を作る組織も増えてきています。 ただ、こちらのやり方も万能ではなく、自己管理能力が特に高い人を除いては、指導を受ける側の経験値の浅さからくる緊張感の緩みや集中力の途切れが起きやすくなっています。 「油断」「驕り」「過信」を引き起こして、潜在能力はありながら本番でミスや失敗をして結果が出ないということも起こります。 また、「絶対に負けない」「集中」といったメンタルの部分は、自分で鍛錬する以外に、他者の経験から学ぶことで得られるものも現実的には多いです。 そのため、この環境の場合は、弟子側になる人達が、自発的にメンターである師匠側の人達に経験談や教訓を学びに行かないと、いわゆる「怖い指導者」の下で育った人達と競り合った時に「先人の知恵」のインプットの量の差で、負けてしまうこともあると思います。 師匠側に立つ指導者の方がこのような構図を理解し、指導者と指導を受ける側が「ぎりぎり緊張感が保てる適度な関係性」を保ち、「基本はそれぞれが自主的に行動をしながらも、要所では指導者の指導にも耳を傾ける」育成環境を構築することが理想の一つの形ではあると思います。
◆関係性ができていないから“古い”と思われる 私自身が実際に年齢を重ねてわかったことは、人間は年を重ねていくにつれて考え方が古くなったり固くなったりするわけではありません。 単純に「最新の情報がアップデートされていない」ことが、若い世代から「最新の情報を知らない=古い価値観のまま=自分達のことを理解する気がない=だから何でも反対する=老害」と見えてしまうこともあるということです。 だから若い世代の方々も「年長の人達にこんなこと言ったってわかりっこない」と最初から思わず、まずは「今現在って、こうなっているんですよ」という「最新情報の提供」からコミュニケーションをとっていただくことをお勧めします。 その上で「こういうことをやってみたいんです」とご自身のやりたいことの提案をされると、年長の方々も、最新の情報をベースとした価値観にアップデートされた後なので「なるほど」と、すんなり希望が通ることも増えると思います。