35歳超えた高齢夜職女子の深刻な貧困問題「気づくのが遅すぎた」夜から抜けられないジレンマ
自分自身に危機感を持たないと
夜職は悪い仕事ではないが、本腰を入れずとも働けて、一定の期間はそれなりのお給料をもらえてしまうから恐ろしい。 卒業のタイミングを失いやすいのも、簡単に手を染めるべき商売ではない理由の1つだと筆者の私は考える。現代では「憧れ」の感情だけで業界入りする若者が増えているため、昨今の夜職ブームは将来の貧困層を増やす原因にもなり得ると思うと、水商売が持ち上げられるのはいかがなものなのか。 すっかり稼げなくなった夜職ミドル世代を救うのは、ハッキリ言ってしまうと難しい。本人たちも心のどこかはもう諦めていて、お金がない現状に慣れてしまっている。 今は夜の世界で悩む女性のための支援団体や、夜職限定の転職エージェントも登場したけれど、適当に暮らすことが普通になった本人たちの意識改革がないと、いくら支援したところで無駄になる可能性が高いだろう。 年齢と共に収入が下がり続けるのならどこかで見切りをつけるか、心を入れ替えて本気で働くしか術がない。貧困に喘ぐミドル世代はもっと自分自身に危機感を持たねば、事態はさらなる悪化を招く。 高収入なぶん、リスクが高い夜職。簡単に稼げず、生き残るのはごく一部の人間だけと考えれば憧れるのは至って危険。今からこの仕事に挑戦する若者は、人生に行き詰まる人々がいることを踏まえた上でよく考えてほしいと老婆心ながら思ってしまうのだ。 【プロフィール】 たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。