大谷翔平選手もしっかり向き合う、野球の真髄「キャッチボール」【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第103回
私の仕事でいえば、キャチボールは何に相当するのか......発声練習? いや、もっと大事そうですから、リハーサルでしょうか。私はリハの時に、進行を最優先しながらも、本番でどんなことが起こるかをシミュレーションしていました。 プロ野球選手はキャッチボールをしている時に、どんなことを考えているのでしょう。実際のシチュエーションを想像しながらやっているんでしょうけど、その意識の有無によって効果も変わってきそうですね。 元ロッテの黒木知宏さんは日本ハムのコーチをしていた時期もありますが、その時に所属していた大谷翔平選手とのキャッチボールは「怖かった」と語っていました。大谷選手は変化球の握りを試したりするので、黒木さんの手元でボールが急に変化することもあったそうです。大谷選手がキャッチボールの重要さを理解し、しっかりと向かい合っていたことがわかりますね。 キャッチボールをしたことがある方はわかると思うのですが、キャッチボールっていつまでも続けられませんか? 他の競技で、例えばサッカーやバスケでパス練習を延々とやっていたら、そのうちに飽きてしまうのではないかと(これは競技未経験の私の推測なので、異論は認めます)。キャッチボールって、単純に面白いですよね。 野球の真髄はキャッチボールにあり。私も野球の魅力を再確認するため、今から公園で旦那さんとキャッチボールをしようと思います。それではまた来週。 ★山本萩子(やまもと・しゅうこ)1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン 構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作