SnowManどころか紅白ゼロ…それでも“NHK出演OK”を勝ち取ったSTARTO社が得たもの
夏ごろからNHKとSTARTO社で交渉
大みそか恒例の『第75回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が11月19日、同局から発表された。 【写真】す、すごい…!『Snow Man』目黒蓮 老舗映画館前で見せた「クール表情」 初出場は計10組で、紅組がILLIT、ME:I、tuki.、白組はOmoinotake、Creepy Nuts、こっちのけんと、Dai-iCE、TOMORROW X TOGETHER、Number_i、新浜レオン。今年は有吉弘行、橋本環奈、伊藤沙莉、鈴木奈穂子アナウンサーが司会を務める。 一方で、出場がウワサされていた旧ジャニーズ事務所(STARTO ENTERTAINMENT、以下STARTO社)からは1組も選ばれなかった。舞台裏を知る芸能プロ関係者の話。 「夏ごろからNHKとSTARTO社で交渉が行われていました。NHKとしては人気の高いSnow ManとSix TONESの2組に出てもらいたかったが、STARTO社は4組を要求していたそうです」 NHKは10月16日にスタート社所属タレントの新規起用を“解禁”。同局の稲葉延雄会長は定例会見で 「被害者への補償と再発防止の取り組みに加え、(SMILE-UP.社とSTARTO社の)両社の経営の分離も着実に進んでいることが確認できた」 と述べ、制作現場の判断で出演にOKを出すと宣言した。 「とはいえ、いきなり紅白に何組も出すのは難しい。まずは2組程度とし、年を重ねるごとに増やしていくという考えだった。STARTO社との交渉も、“あの時”までは建設的に行われていたようです」(前出・芸能プロ関係者) “あの時”とは、10月20日放送のNHKスペシャル『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』だ。 故ジャニー喜多川氏の性加害を総括し、補償業務を進めるSMILE社の“実情”をリポート。ネット上で大炎上したのは、初代『ジャニーズ』の故中谷良さんの姉・幸子さんとSMILE社担当者の電話によるやりとりで、担当者は 「誰が何を謝るんだというのがちょっとわからない」 「東山は別に加害者じゃないですからね」 などと、冷淡な対応に終始した。後日、この担当者は役職を外された。音楽関係者によると、 「Nスぺ放送後、明らかにスタート社の対応が厳しくなったそうです。STARTO社としては、へりくだってまで紅白に出る必要はないということでしょう」 という。実際、“紅白ゼロ”を嘆くファンはそこまで多くはない。Snow Manファンの20代女性は 「私の周りに紅白を見ている子なんていませんよ。それよりも、昨年みたいにグループで大みそかに生配信をやってくれた方が嬉しい。ファンのためだけにイベントをやって欲しい」 と話す。 ◆STARTO社の「営業面」で大きな進歩に STARTO社としても、当面の目標はすでに達成しているという。前出の音楽関係者は、NHKが出演OKの“お墨付き”を与えたことは 「営業面で何よりも大きかった」 という。一連の性加害問題で、旧ジャニーズ事務所はそれまで200社以上抱えていた大小さまざまなスポンサー契約が激減した。ついにはジャニーズ事務所の“金看板”を下ろすことになったが、それでも 「スポンサーの戻りは鈍かった。全盛期から100以上減ったと言われている」(同・音楽関係者) という。そんななか、起用の可否をめぐる“リトマス紙”の役割を果たしたのがNHKだ。代理店関係者の話。 「NHKが出演にGOサインを出してから、スポンサーが徐々に戻りつつあるようです。民放と違って、公共放送は出演のための審査が厳しいですからね。そのNHKがOKを出したのだから、『性加害問題は一区切り』と捉えた企業は多いのではないでしょうか」 最大の懸案だったスポンサーの出戻りが進むことで、STARTO社はかつてのジャニーズ事務所のような力を取り戻しつつある。 「紅白は亡くなったメリー喜多川さんが強い影響力を持っていた。最大7組出演させた時はさすがに『やりすぎ』という声が上がったが、紅白を評価していた裏返しでもある。そのメリーさんが亡くなり、前衛的と言われる福田淳氏が社長となった。『別に紅白に出なくても……』という考えなら、来年以降も厳しい交渉になる」(前出・音楽関係者) そこでSTARTO社にNHK側に4組の紅白出場を求めたことや、スポンサー企業が戻ってきていることなどに関する質問を送ったが、期限までに回答は得られなかった。 今年の紅白の視聴率いかんでは、番組存続に発展しそうだ――。
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