中国の国家支援ハッカーがサイバー攻撃、有権者情報盗む-米英当局
(ブルームバーグ): 米国と英国は、国家支援の中国ハッカー集団が長年にわたり政治家や企業、反体制派を標的にしてきたと非難した。米国と同盟国が中国の習近平指導部と関連付けるサイバー攻撃について、今回の米英当局の発表で新たな事実が明らかになり、英国では大量の貴重な有権者データが盗まれたという。
米当局者によると、中国籍の7人が連邦議会議員やホワイトハウス、司法省などの政府機関職員のほか、候補者や選挙スタッフ、米企業をサイバー攻撃のターゲットにした。これらハッカーは「APT31」として知られる国家支援グループに所属し、コンピューター侵入および電信詐欺の共謀罪で米国で起訴された。
米英は、このうちの2人と中国湖北省・武漢にある武漢暁叡智科技という企業に対する制裁を発表した。米国によると、この会社は「複数の悪質なサイバー作戦を隠れて行ってきた」最前線であり、ハッカーらはそこで請負業者として働いていた。
英国のダウデン副首相によると、英国は選挙管理委員会が保有する有権者約4000万人の詳細情報に中国がアクセスしたと主張している。
世界に及ぶ広範な戦略的・経済的競争の一環として中国政府が支援しているとされるサイバー攻撃が増えており、25日の発表で新たな事例が加わった。
中国はこうした主張に反発。北京の外務省当局者は英国の非難を「偽情報」と呼び、ワシントンの在米中国大使館報道官は声明で、米国は「不当な結論に飛び付き、根拠もなく非難した」と表明した。
スナク英首相は25日、「ますます強引な」中国のハッキング支援は「重大な挑戦」であり、「わが国の経済安全保障に対して最大の国家ベースの脅威」だと述べた。レイ米連邦捜査局(FBI)長官はハッキングについて「わが国のサイバーセキュリティーを弱体化させ、米国民と米国の革新を標的にする継続的で向こう見ずな取り組みだ」とした。
原題:US, UK Accuse China of Broad Cyberattacks, Voter Data Theft (1)(抜粋)