難しい、けど楽しい。キャンプの焚き火で「焼き芋」をおいしく作る方法を模索してみた結果
安納芋や紅はるかといった濃密なねっとり系の登場以来、焼き芋人気が拡大中。スーパーの入り口で見かけるとつい手が伸びるし、焼き芋専門店を見かけるとフラッと立ち寄ってしまいます。 【焚き火で「焼き芋」をおいしく作る方法をチェック】 いつの間にか人気者の地位を確かなものにした焼き芋は、食物繊維やビタミンCが豊富など健康面でも優秀。おまけに焼くだけでスイーツになるなんてアウトドアにぴったり。焚き火で暖を取りながら調理できるのも魅力です。 焚き火でいかにおいしい焼き芋を作るにはどうすればいいか、試してみました。
■強火の遠火でじっくり…が大変だった
まず、焼き芋が甘くなるその理由を確認しましょう。 焼き芋の甘みは、β-アミラーゼと言う酵素が活性化してデンプンを麦芽糖に分解したため。この酵素が元気に働くのが60~65℃といわれていて、75℃以上になるとうまく働かないんだそうです。 甘味を引き出すにはわずか5℃幅の超ピンポイントな温度管理が必要という、風で温度が変わりやすいアウトドアでは絶望的な条件ですが、これを踏まえていざ実践! 家庭用オーブンを用いる焼き芋レシピでは「160℃で90分」ですが、今回は甘味を引き出すために低温・じっくりを目指します。 低温調理器を使った焼き芋レシピでは「90℃90分+180℃30分」の2段階加熱が推奨されているのでこれを参考にしましたが、問題は90℃程度の温度をどうやってキープするか? バーベキューで知られるミシシッピテストでは、焼き網から20cmほど上に手をかざし、何回ミシシッピを数えられるかで温度を判断する方法で、10ミシシッピ以上数えられたら140℃以下とされています。 そして酵素が働く温度=65℃の場合、お湯だと、やけどをしないまでも指をつけると"熱っ"とすぐに引っ込めるくらい。 そこで13~14ミシシッピの場所に置いて、しばらくしてからアルミホイルの表面を触り、熱くなっているか確かめながら加熱することに。 ちなみにカボチャや栗にもサツマイモと同じ酵素によって甘味が増すと言われており、ここまで手をかけるなら…と、いっしょにカボチャと栗も焚き火で焼いてみました。 風向きによって状況が変わるので、気が抜けません。たまに温度を確認しながら加熱すること2時間…。