NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、視聴率「好調キープ」は本当なのか?
女優・柴咲コウ主演のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』が1月8日にスタートした。 同ドラマは、戦国時代を舞台に、戦のたびに当主を殺され、ただひとり残された姫が「直虎」と勇ましい名を名乗って乱世に立ち向かい、自ら運命を切り開き、戦国を生き抜いた女の激動の生涯を描いた作品。 今月8日に放送された第1話が平均視聴率16.9%、第2話が15.5%(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、朝刊スポーツ紙は軒並み「好スタート」、「好調キープ」と報じている。
視聴率好調報道も「真田丸」の初回よりもダウン
だが、実際のところ初回視聴率に関しては前作の『真田丸』の19.9%からダウン。 歴代の「大河」作品と比較しても、2015年放送の『花燃ゆ』に続く、ワースト2位となっており、インターネット上では「本当に好調なのか?」、「どこが好スタート?」といった疑問の声もあがっている。 そうした中、今月18日にはNHKの木田幸紀放送総局長が定例会見で、「『真田丸』の終わり(=14.7%)より高かった。ほぼ『真田丸』と同じところで良い出足。『大河』史上最も知名度がない人であるにもかかわらず、スーパースターの真田幸村と同じように楽しんで頂けて、スタッフの苦労が視聴者に届いた」と高く評価。 しかし、『真田丸』と比べると、前述のように初回視聴率で3%もダウンしており、さらに同作の最終回はサッカーJリーグの鹿島アントラーズがクラブワールドカップの決勝戦で、世界的名門サッカークラブのレアル・マドリードと激闘を繰り広げた試合の中継番組とカブる結果に。 実際、日本テレビ系で放送された同試合の中継番組は平均視聴率26.8%を記録し、裏番組の『真田丸』にとっては視聴率の面で大きな痛手となったのが実状だ。
裏番組のサッカー中継の影響をモロにウケた『真田丸』の最終回
「近年の『大河』の中では話題性や視聴率的に好調だった『真田丸』ですが、最終回の視聴率については裏番組の影響をもろに受ける格好となりました。その最終回を引き合いに出して、“『直虎』の初回や第2話の平均視聴率が『真田丸』の最終回より高かったから良いスタート”とする論理は、ちょっと無理があるかなとは思います。朝刊スポーツ紙による、今回の『直虎』の視聴率に関する前向き過ぎる報道姿勢にも違和感をおぼえました」 ではなぜ、NHKサイドはことさらに「直虎」の視聴率好調ムードを醸し出そうとしているのか?