帝京FW森田晃×FW宮本周征 ふたりに流れるリスペクトの念
横山杯第24回全国ユース招待サッカー大会が茨城県神栖市で開催されている。 大会3日目の27日、1stTOPの試合が行われ、グループ1位となった帝京と横浜創英が対戦。3-0で帝京が完封勝利をおさめた。 【フォトギャラリー】帝京 vs 横浜創英 新しいチームで迎えた初めての大会。帝京イレブンはそれぞれの思いで大会に臨んでいる。 「1点取ることに気持ちをこめたい」 横浜創英戦で2得点をあげたFW森田晃(2年生)だが、ある苦みを抱いている。 11月4日に行われた第102回全国高校サッカー選手権東京予選2次予選Aブロック準決勝・國學院久我山戦。 帝京、0-1で迎えた後半35分。森田がセットプレーから同点弾をあげた。しかしPK戦までもつれた試合は帝京が敗れた。 「あの試合で1点決めたものの、あと1点足りないところで國學院久我山に負けてしまった。その1点にこだわっていきたい」 勝負を決める、チームを勝利に導くFWになりたい。その強い思いが今回の2得点にこめられている。 そして3点目を決めたFW宮本周征にもあった。1年生ながら選手権予選に出場したものの「なにもできず、うまくいかなかった」と不完全燃焼だった。だからこそ「ことしは選手権を勝ち抜いていきたい。そのために新しいチームとして、個人として成長したい」と飛躍を誓った。 横浜創英戦では前半プレーした森田に代わって後半開始から宮本が起用された。こうした図式から両者はレギュラーをライバル関係にある。 宮本が「森田くんがいるので、スタートというより途中からの出場が多いので、まずはスタメンを狙いたい」とポジション奪取への野心をのぞかせる一方、森田からは違った一面が見えた。 「宮本には自分にはない長所、シュートのうまさがある。なので『どうやって蹴っているの?』『そうした場面ならどうする?』と聞いて、見て盗んでいる。また宮本自身も自分にポストプレーについて聞いてくるので教えている」。ふたりは切磋琢磨しあう関係にあるようだ。 帝京は言わずと知れた強豪校のひとつ。激しい競争は当たり前。しかし、森田、宮本のようにリスペクトし合えることはチームの風通しが良い証拠かもしれない。 「どこのポジションも層が厚いので・・・期待できると思う。自分にプレッシャーをかける意味でもチームとして、そして個人としても良い結果を出せると思う」 森田はそう力をこめた。 ふたりのポジション争いはいかに。 (文・写真=佐藤亮太)