「GSX-S1000GX 開発者が語る」スズキ初のクロスオーバー車はどのように誕生したのか?【コンセプト&デザイン編】
日本仕様はシート高830mm、純正オプションではシートを2種類用意
「GTと比較して、欧州仕様では着座位置を15mm高くしていますが、日本仕様はGTと同じです。オプションのコンフォートシートは15mmアップとなりますが、このほかにプレミアムシートもオプションで用意していまして、タックロール、ダブルステッチ、ロゴで高級感を演出したものです。さらにシート表皮は、直射日光による温度上昇を防ぎ、スポンジは内部が固く、外側が柔らかい二重構造としました。これはスズキ二輪車として初採用です」 日本仕様のGXのシート高は830mmだが、シート側面をスリムにしているため、身長163cmの野尻さんでも足着きに不安はないそうだ。また、ローシートのオプション設定はないが、電子制御サスペンションのプリロード設定を最弱にすれば、またがったときのシート高は10mm下がる。 なお、後部シートはGTと共通部品ではなく専用設計だ。
デザインコンセプト「スーパースポーツのアグレッシブさと、ラグジュアリー、エレガンスな要素を融合」
デザインコンセプトについて、デザイングループの小川和孝さんは次にように語る。 「スーパースポーツ譲りのアグレッシブな野性味と、クロスオーバーならではの上質でラグジュアリーなエレガンスを融合させるため、『解き放たれたエレガンス』をキーワードにデザインしました。また、フロントフェイスはシャープな逆スラント形状とコンパクトなLEDヘッドライトを組み合わせることで独特の外観を作り出しています。いくつものパネルをレイヤー状に重ねたフェアリングは空力特性を高めつつも、GXのアグレッシブさを表現したものです」 GXのボディカラーは3色展開で、メインカラーはトリトンブルーメタリック。GSXシリーズのイメージカラーの青を使いつつ、パフォーマンス、スピード、アジリティを表現している。 グラススパークルブラックは、上質さと洗練をテーマとした落ち着きあるカラーだ。 パールマットシャドーグリーンはこのモデルのために開発した新色で、アグレッシブな大人を表現し、都会から郊外までマッチするものにしたという。いずれも機能部品の良さを生かすことを念頭にデザインしたそうだ。