プロデューサー・ワッキーが熱い思いを語る 舞台『Mother~特攻の母 鳥濱トメ物語~』取材会レポートが到着
特攻隊員役たちの頑張りに涙
また、ワッキーは、本作品ならではの特別な稽古方法についても明かした。 「特攻隊員役の人たちは、普通の稽古の1時間くらい前に集まって、“教練”っていうのをやります。昔の軍人さんたちがやっていた筋トレのようなもので、号令に合わせて動作を揃えたり、腕立て伏せをしたりします。でも、そんな動きは舞台の中には出てこないんですよ。ただ、当時の特攻隊員の方たちに少しでも近づきたいという想いで頑張る。そうすると、舞台上にその効果が滲み出てくるんです。 特攻隊役の子たちは皆若いので、最初はいかにもイマドキっぽい感じで、“大丈夫かな”と心配になるんですけど、毎公演、教練を続けるうちにビシッと特攻隊員の感じが出てくる。“1,2,3!”って、気合が入った声で頑張っている姿を見ると、泣きそうになっちゃって……」 ここまで語ると、ワッキーは感極まって声を震わせた。
戦争を知っている世代もターゲットに
来年は戦後80年にあたることから、80歳以上の方と同伴者1名が無料招待される(各公演上限あり)。その理由を、ワッキーは次のように明かした。 「今までは、戦争を知らない世代をターゲットに、80年前の出来事を知ってもらいたいと頑張ってきたんですけど、来年は戦後80年ということで、戦争を知っている世代の方に見てもらいたいなと、こういう取り組みになりました。同伴者の方も無料にしたのは、80歳以上の方だとひとりでは危ないという理由もありますが、息子さんや娘さん、またはお孫さんと、ご家族で来てほしいという想いもありました」
スーツ姿で営業回りも
取材会では、ワッキーのプロデューサー業にも興味が集まり、具体的な活動内容について、ワッキーはこう説明した。 「スタッフの人たちと、スーツを着てたくさんの企業を回ったり、集客にあたり、中学や高校を回ったりもして、地道な活動をしています。母校の市立船橋(船橋市立船橋高等学校)にも行かせてもらいました。いろいろな会議に参加することもあれば、金持ちの社長さんに連れられて、キャバクラに行ったりもしています。決して、キャバクラに行きたいわけじゃないですよ! 『Mother』のためなら、何の苦労も感じないんですよね」 そんなプロデューサー・ワッキーを、浅香はこう語る。 「私に声をかけてくれたのはワッキーさんだし、いつも“唯さん大丈夫だよ”“唯さんならできるよ”というワッキーさんの言葉を信じて舞台に立たせてもらってきたので、私の中ではずっとプロデューサーだと思ってきました。ワッキーさんもお客さん目線で見て、お芝居のアドバイスをくださったりするので、改めてプロデューサーにというより、プロデューサー業に営業の仕事が加わったのかなという感じです」