アジカン後藤正文のフジロック談義2024 フェスの見どころ&注目アクトを語る
4人の気になる出演アーティストは?
4人の気になる出演アーティストは? 後藤 今年のヘッドライナーはクラフトワーク、ノエル・ギャラガー。SZAは個人的にも楽しみでしたが、残念ながらキャンセルになりました(編注:本記事の収録後、ザ・キラーズのヘッドライナー出演が発表)。最近、聴かず嫌いだったノエルの最新アルバム『Council Skies』をやっと聴いてみたんだけど、 良かったな。もちろん、オアシスで帰ってきてほしいという思いはあります。ノエルの書いた曲をリアムが歌う以上の魔法はないわけで。でも、それぞれが変わらず第一線でやっているのは本当にすごいこと。きっと素敵な日曜日のフィナーレになるんじゃないかな。 つや:Awichさんも気になります。2年前くらいにインタビューしたときは、まだヒップホップのフェスにしか出てなかったんですよ。そのときに、彼女はこれからはロック系のフェスにも出ていくと言っていて、そのあといろんなフェスに出るようになった。そして、1年前に話を伺ったときは次は海外のフェスに出ると言っていて、こちらもRolling Loudやコーチェラを含めて有言実行していった。そういった経験を積んで、フジのメインステージでどんなパフォーマンスをするのか。コーチェラでも「Bad Bitch 美学」でNENEさんやLANAさんなどをフィーチャーしていましたし、自分が大切にしている仲間や地元・沖縄のラッパーたちを自身のツアーやフェスに参加させていて。フジでもいろんなゲストを仕込んでいそうな気がしますし、常々マンネリが嫌だと言ってる人なので、新しい見せ方をしてくるんだろうなと。個人的には衣装も楽しみです。コーチェラではルイ・ヴィトンが提供していましたけど、いつも素敵なので。 後藤:近年のフジロックは、日本のヒップホップをいいスロットで届けてますよね。昨年のBAD HOPもそうだし、今年はKID FRESINOくんにRED MARQUEEのトリを任せたり。すごく素敵だなって。 小熊:コーチェラの配信で驚かされたのが、レイ(Raye)というUKのシンガー。ゴージャスでパワフルで華があって、エイミー・ワインハウスを想起させる歌声の持ち主。まだ日本での知名度は低いかもしれないけど、当日はかなり盛り上げてくれそうな気がします。 矢島:コーチェラからの流れで言えば、私はザ・ラスト・ディナー・パーティーが楽しみです。サウス・ロンドンの5人組フィメール・バンドですが、 ファッションや佇まいもかっこいいし、視覚的な表現までぬかりないんですよね。女性5人の堂々としたパフォーマンスからは特有の多幸感が溢れ出ていて、これをフジで体感できたら最高だなって。 小熊:僕も配信で観ましたが、アメリカのフェスということで最初はアウェイ感があったのに、逞しいステージングで最終的には盛り上げていて、新人バンドとは思えない実力を見せつけていました。眩しいほどのガール・パワーも放っていて。 矢島:CHAIとか好きな人たちにも観てほしいですよね。 矢島:あと、本誌の読者にぜひ観てほしいのはHedigan’s。YONCEさん(Suchmos)がボーカルを務めるバンドで、2日目のRED MARQUEEに出演します。インタビューをやらせてもらったとき、ドラムの大内岳さんが「僕たちは音楽従事者だ」と語ったことが印象的だったのですが、その言葉通りのライブをするんですよね。音を操ろうとするのではなく、音に操られているみたいな演奏で、音楽に身を捧げるようなバンドサウンドが鳴り続く。初めて観たときは震えてしばらく動けない状態になったくらいで、あの感動をぜひみんなに味わってほしいです。 つや:エリカ・デ・カシエールも楽しみです。デンマークのシンガーソングライター/プロデューサーで、今年4ADから発表した『Still』というアルバムも素晴らしかったですし、昨年はNewJeansへの楽曲提供でも注目を集めていましたよね。90~2000年代のR&Bとドラムンベースなどのクラブ・ミュージックを融合させた感じの音楽性なんですけど、その説明から想像するようなサウンドともまた違っていて。浮遊感や清涼感が漂っていて、メロディはメランコリック。心地よい自然に囲まれた苗場の地に、彼女の涼しげな音楽はすごく合うと思う。 後藤:初日のRED MARQUEEなんだね。そこの並びだと、僕はキング・クルールが楽しみですね。そうそう、僕も初日に出演するんですよ。ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAで歌います。(ネットで)燃えないようにがんばりたいなと(笑)。 小熊:自虐的ですね(笑)。後藤さんたちのあとにGREEN STAGEへ登場するフリコも期待されてますね。2月に出たデビューアルバムが日本のSNSでバズって、ロックの救世主みたいに騒がれるなか、速攻でフジへの出演が決まるという。2日目に出演するオーストラリアのグラス・ビームスも、まだEP二作しか出していないのに人気です。覆面を被ったミステリアスな3人組で、インド音楽の要素も取り入れたエキゾチックでサイケデリックな音を鳴らしていて。クルアンビンにも少し通じる作風がフジにハマりそう。 つや:2日目だと、べス・ギボンズも観たいです。ポーティスヘッドのシンガーとして知られている人だけど、最近発表されたソロ・アルバムがすごく良かった。もちろん古くからのファンは絶対観るでしょうけど、若いリスナーにも刺さる音楽だと思います。ビリー・アイリッシュ以降のゴスなムードから見ても先駆者的な存在ですし、最近ではケンドリック・ラマーも彼女をフィーチャーしていましたよね。アルバムは50代を振り返っていくような内容でしたし、年齢を重ねたうえでのステージがどんなものになるのか注目ですね。 小熊:その流れでいくと、キム・ゴードンも見逃せない。ソニック・ユースのベーシストで、USオルタナの伝説的な存在ですけど、今年発表したソロアルバムがかなりの衝撃作だったんです。トラップからの影響を受けつつ、名状しがたい爆発的な音が鳴っていて。どう考えても71歳のアルバムとは思えない(笑)。どんなライブをやるんだろうって。 後藤:キム・ゴードンもそうだし、同じ3日目だとルーファス・ウェインライトも観たい。最近の活動はそこまでチェックできてないけど、好きなんです。こういうベテランが出るのも嬉しい。素敵なミュージシャンが老いていくさまを見届けるのも素敵なことだしね。ライドとかもそうかな。フジロック自体も、とにかく末永く続いてほしいという気持ちです。俺らが死んだあともずっと存在し続けてほしいフェスですね。 --- FUJI ROCK FESTIVAL’24 2024年7月26日(金)27日(土)28日(日)新潟県 湯沢町 苗場スキー場 ※後藤正文はROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(feat. トータス松本、TOSHI-LOW、後藤正文、GLIM SPANKY、US)として7月26日(金)に出演 『Recent Report I』 後藤正文 配信中 ASIAN KUNG-FU GENERATION 『Single Collection』 2024年7月31日リリース ASIAN KUNG-FU GENERATION Anniversary Special Live “ファン感謝祭2024" 2024年8月24日(土)・25日(日) 横浜BUNTAI ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2024「ファン感謝サーキット」 2024年9月30日(月)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA 2024年10月2日(水)東京都 LIQUIDROOM 2024年10月5日(土)北海道 札幌PENNY LANE24 2024年10月6日(日)北海道 帯広MEGA STONE 2024年10月10日(木)石川県 金沢EIGHT HALL 2024年10月11日(金)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX 2024年10月13日(日)新潟県 NIIGATA LOTS 2024年10月19日(土)香川県 高松festhalle 2024年10月24日(木)福岡県 DRUM LOGOS 2024年10月26日(土)熊本県 B.9 V1 2024年10月27日(日)鹿児島県 CAPARVO HALL 2024年10月31日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE 2024年11月1日(金)福島県 clubSONICiwaki 2024年11月3日(日・祝)宮城県 石巻BLUE RESISTANCE 2024年11月4日(月・振休)岩手県 KESEN ROCK FREAKS 2024年11月13日(水)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO) 2024年11月14日(木)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO) 2024年11月20日(水)大阪府 ユニバース 2024年11月21日(木)大阪府 ユニバース 2024年11月23日(土・祝)京都府 磔磔 2024年11月24日(日)兵庫県 Harbor Studio 2024年11月29日(金)愛知県 DIAMOND HALL 2024年11月30日(土)岐阜県 club-G 2024年12月4日(水)宮城県 SENDAI GIGS 2024年12月12日(木)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM 2024年12月13日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO 2024年12月18日(水)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO) 2024年12月19日(木)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
Ryota Tanaka