世界累計100万本突破、「スプラトゥーン」ヒットでWii U復活なるか
5月28日に発売になった任天堂の据置型ゲーム機「Wii U」用のアクションシューティングゲーム「スプラトゥーン」の世界累計販売本数が100万本を超えたと、公式のツイッターを通じて発表が行われました。 このゲームは、「ナワバリバトル」と名付けられたジャンルで、オンライン対戦で4対4のチームに分かれて、インクを打ち合ってマップの色を自軍に染め合って、3分後に自軍のなわばりを広くできていた方が勝ちとなるゲームです。 プレイヤーが操作するイカをモチーフとしたキャラクターは、ポップな色調に動きで女性でも、ひきつけられるかわいらしさを持っています。専用コントローラーの「Wii U Game Pad」を傾けて、敵を狙う操作も目新しい。ゲームをテンポよく盛り上げる音楽と一緒に、一度始めたら、ついつい何度も繰り返したくなる強烈な中毒性を持っています。 すでに多数存在する競争の激しいアクションシューティングゲームでも、過去になかったと感じさせる「任天堂らしい」傑作ゲームということができます。
Wii Uのハードの普及で苦戦
「スプラトゥーン」は、全世界で苦戦が続いているWii Uのテコ入れを目指したゲームです。12年11月に発売になったWii Uの苦戦は続いています。ゲーム情報サイト米VG Chartzによると、Wii Uの全世界の販売台数は970万台(5月16日現在)です。Xbox Oneの1260万台や、プレイステーション4の2270万台と比べて、大きく差を付けられています。何よりも大きな理由は、ゲームタイトル不足です。 Wii Uのハード性能は、プレイステーション3などの一世代前のハードと同等の性能になっています。その分、ゲームのハードの価格を3万円程度と、PS4などと比べ1万円程度おさえ、そして他のハードにない新しい周辺機器を追加し、新しいゲーム体験を提供することで差別化を図るという戦略を採っています。「Wiiリモコン」と組み合わせたWiiの世代では、見事にその戦略は成功し、1億台もの販売に成功した大ヒットハードになりました。 しかし、Wii Uでは、他のゲームハードではできない決定的に違う何かをWii U Game Padで実現できたゲームを生み出せていません。ハード性能の限界もネックとなり、多くの他のゲーム会社も積極的にWii U向けのゲームを作らなくなっているというのが実情です。任天堂は、他社に期待できず、自社タイトルを通じてハードのヒットを広げていくしかない状態にあります。 「スプラトゥーン」には、Wii U Game Padで、敵味方のインクがどの程度塗りつぶされているのかという状況が一目で確認できるようになったりと、Wii Uらしさを追求した仕組みがゲームにうまく組み入れられています。