今日から二十四節気「小暑」。どんな季節?年中行事は?【二十四節気とフローリスト】
古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回はいよいよ夏本番を迎える小暑にぴったりの花束を東京・梅ヶ丘の「duft」に束ねてもらった 【小暑の花束】花器にそのまま活けても凛とする佇まい【写真】
小暑 7月6日~7月21日
熱気を帯びた風・白南風(しらはえ)が吹き始め、ここから本格的な暑さに。暑中見舞いを送るのも、小暑から立秋の前日までとされている。近年はうだるような暑さが続くが、蓮の花や朝顔、ネムの花が咲きはじめ、夜や早朝の涼しい時間帯に、花見を楽しむことができる。 春に生まれた若鷹が空に羽ばたきはじめたら、いよいよ夏本番。風鈴を吊るしたり、土用の丑の日には桃の葉湯に入り、暑気払い。来たる大暑に備えたい。 クレマチスやエキナセア、紫陽花の一種であるアナベル、変わり種のトリトマなど、小暑の暑さでも健気に咲く花を束ねたブーケ。どこかノスタルジーを感じるさせる花束は、いつもお世話になっている身近な人へはもちろん、目の肥えた人にも安心して手渡せるブーケだ。店主の若井ちえみさんは花を束ねる時、鏡の前でくるくると回しながらさまざまな角度でチェックをする。 「ウェディングブーケを担当させてもらうことも多いのですが、上からだけでなく、人から見た時にどのように見えているのか、客観的に見るように心がけています」 持ち歩くときも渡すときにも美しく見えるブーケは、お礼やお祝いの気持ちがより一層伝わりそうだ。
世田谷線松陰神社前駅で親しまれてきた「duft」が2022年に一時閉店。2023年11月に夫の溝口翼さんが営むセレクトショップ『fernweh』との複合ショップとして、小田急線・梅ヶ丘に場所を移し再オープンした。 松陰神社前駅のころの雰囲気を残しつつ、少しゆとりのある店舗になったことで、ブルーやイエローのカラーを加えた内装は、以前からのファンも立ち寄りやすく、はじめて訪れる人にとっては気持ちをパッと明るくしてくれそうだ。 「自宅やお店など、花を飾る人が1人でも増えたら」という思いで、花屋を営む若井さん。装飾やウエディングの仕事に奔走する日々を送るが、花屋という場所でお客さまと向き合うことは自分の体が動く限りは続けたいと話す。仕入れる花も、アイキャッチになる珍しい花から、誰もが名前を知る花まで取り揃えている。「珍しいお花も素敵ですが、ラインナップが偏るのは避けたいんです。どの花も魅力的な花屋として、お客さまを迎えたいです」 花の持ちや水あげの方法など、丁寧に情報を伝えたいと若井さん。正直な街の花屋として、1人でも多くの花好きを増やしたいと奮闘する、頼りにしたくなる花屋だ。 duft ドゥフト 住所:東京都世田谷区梅丘1-33-9 2F 定休日:水・木曜日 営業時間、定休日はインスタグラムの最新の投稿から 参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA 『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社 山下景子『二十四節気と七十二候の季節手帖』 成美堂出版 TEXT BY YURI TAKAHASHI