9年前の事件で捜査線上に 少女狙う、刃物、面識なし…状況酷似 たつの女児刺傷、男逮捕1週間
兵庫県たつの市で2006年、小学4年の女児を刺傷したとして、兵庫県警が殺人未遂容疑で勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)を逮捕して14日で1週間となる。捜査関係者によると、岡山・女児刺殺事件(04年発生)で服役中に、加古川市で小学2年の女児が刺殺された未解決事件(07年発生)への関与も認めたとされる。これら三つの事件はいずれも捜査に10年以上かかっているが、勝田容疑者が捜査線上に浮かんだきっかけは、今から9年前の15年に姫路市で起きた殺人未遂事件だったという。 【地図】男が関与した可能性がある二つの事件の現場 15年5月11日夕、姫路市内の路上で、帰宅中の中学3年の女子生徒=当時(14)=が刃物で胸を刺され、重傷を負った。通り魔的な犯行に、兵庫県警は殺人などの重大事件を扱う捜査1課を投入した。 事件発生直後、姫路市の飾磨署で開かれた捜査会議で、ある署員が発言した。「根拠はないのですが、怪しい男がいます」。以前、捜査したことがある男と手口が似ているという。 09年、同市網干区の路上で小学1年の女児=当時(6)=が腹を殴られ、肝臓から出血する重傷を負った事件。傷害容疑で逮捕されたのが勝田容疑者だった。 その後の捜査で、同時期の他の暴行事件への関与も判明。被害者は姫路市内だけでなく、隣接する高砂市や太子町、三木市などの少なくとも十数人に及んだ。連続暴行事件には、未成年の少女を襲う-という共通点があった。 15年の捜査で県警は、姫路の女子生徒が襲われた日の勝田容疑者の行動を調べた。すると、自家用車が加古川市の自宅から姫路市に移動していたことが判明した。事件後も頻繁に姫路を訪れており、捜査員は警戒を強めた。「また事件を起こすかもしれない」 防犯カメラ映像や目撃証言を集め、約1週間後に自宅を捜索。当時36歳の勝田容疑者は「女子生徒を刺した」と認め、調べに「反撃されないように中学生を狙った」と話した。懲役10年の判決が確定し、刑務所に入った。 【おことわり】殺人未遂容疑で逮捕された勝田州彦容疑者(45)は、過去に姫路市で女子中学生の殺人未遂事件や、女児の傷害事件などを起こしていました。前科や犯罪歴は人権上、慎重に取り扱う必要がありますが、事件の重大性を踏まえ、背景を伝えるために記事で触れました。