長野県松本市の大名町通りで実証実験 段差なくし歩きやすい街に
長野県松本市中心街の大名町通り(市道)で22日、車道と歩道の段差をなくす「フルフラット化」の実証実験が行われた。街路が「人が集まる場」となるイメージを市民や来訪者と共有し、令和10年度の完成を目指す再整備事業への理解醸成を図った。 松本城三の丸エリアの活性化を目指す民間主体のまちづくり団体・三の丸エリアプラットフォームと大名町町会が共催した。松本城交差点南側の15メートルの区間で実施した。幅9メートルの車道に木の板を敷き、最大15センチある歩道との段差をなくした。再整備によって1メートル拡幅し片側4・5メートルになる歩道と、50センチ減少し片側3メートルになる車道の幅は線で示した。 ベンチやテーブルを置いたり、ボラードと呼ばれる金属製の車止めを仮設したりして、再整備後の風景を再現した。完成イメージ図や植え替え後の樹木の配置図を示したパネルも用意し、興味深そうに眺める通行人の姿もあった。 上田市から観光で訪れた会社員・大下照久さん(35)は「段差をなくせば子供も安全で、歩いてみたくなる道になりそう」と期待を寄せていた。 大名町町会は昨年4月、フルフラット化を含む通りの整備を市に提案していた。市は来年度に工事を始める予定で、同町会の長谷川均町会長(74)は「意義のある試みだと思う。整備後、フルフラット化をどのように街に生かしていくかが重要になる」と話していた。
市民タイムス