杉野遥亮“歩”、自身の正義に従った行動が向井康二“真吾”の信頼を失くす結果に<マウンテンドクター>
杉野遥亮が主演を務める月10ドラマ「マウンテンドクター」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第8話「山岳医の正義と父としての愛情」が、8月26日に放送された。真吾(向井康二)を訪ねてきた息子・圭吾(湯田幸希)が、母・凛(冨手麻妙)に学童での登山を反対されていると相談した。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】村松は両親と話し合いをするが、まだ決着は見えていない ■山岳医療の現場を描く作品 本作は、信濃総合病院の山岳医療の現場に放り込まれた青年医師が、さまざまな思いを抱えた山岳医や患者と触れ合い、現実と向き合いながら成長していく姿を、長野・松本を舞台に描く山岳医療ドラマ。 杉野は整形外科医と山岳診療科を兼務する医師・宮本歩を演じ、歩と幼なじみの麻酔科医・村松典子を岡崎紗絵、看護師・鮎川玲を宮澤エマ、歩と典子の幼なじみで焼き鳥店を営む小松真吾を向井康二、循環器内科医・掛川康二を近藤公園、オペ看護師・平早紀をトラウデン直美、救命救急医・小宮山太を八嶋智人、信濃総合病院の院長・松澤周子を檀れい、そして国際山岳医としての資格を取得し、海外での活動経験もある山岳医・江森岳人を大森南朋が演じる。 ■真吾の息子の願いを叶えるために歩が提案を 歩(杉野遥亮)が典子(岡崎紗絵)、玲(宮澤エマ)と一緒に真吾(向井康二)の店で飲んでいると、慎吾の息子(湯田幸希)が不意に訪ねてきて、父の真吾に相談をした。 その相談とは、学童での登山があるが、母・凛(冨手麻妙)が反対しているということだった。圭吾は心臓に疾患があるため登山をするのは危険で、凛が反対するのも当然のこと。 圭吾自身もそれは分かっているが、友達と同じように山に登って、大好きなカブトムシを捕まえたいという気持ちが強く、諦めきれずに真吾に相談しに来た。 その話を聞いていた歩は、願いをかなえてあげたいと思い、MMTの山岳外来の受診を提案する。 ■登山を実現するために手術を決断 MMTの山岳外来にやってきた圭吾を診察した江森(大森南朋)は、カテーテル手術をすれば運動も可能だと真吾と凛に伝える。“手術”に不安を感じる凛だったが、圭吾本人の意思を尊重し、手術を決断。 手術後、山でもしものことがあったらという不安もあった凛だったが、歩からMMTの医師が帯同することを提案されたことが背中を押してくれた。 手術は無事成功。学童登山には歩と玲が帯同することになる。歩は、江森に「自分がそばにいれば、何があっても圭吾くんを守れるので。それが山岳医としての務めですから」と自信たっぷりに話し、真吾にも「俺たちMMTがついているから何も心配いらないよ」と伝えていたが、圭吾は病院に搬送されてしまう。 ■歩が離れている時に、児童たちが蜂に刺される事態が発生 圭吾は山に登り、友達と一緒にカブトムシを捕まえたりして楽しんでいたが、蜂が出現し、何人かの児童が刺されてしまった。圭吾もその中の一人。アナフィラキシーを発症し、呼吸困難になって倒れてしまった。 こういう事態に備えてのMMTの帯同だったが、その時、歩は別の登山者からのけがをしたという連絡を受けて、圭吾らを玲に任せて離れてしまっていた。 玲が歩に電話をし、指示を受けてアドレナリンの投与を行う応急処置をする。そして、歩が戻るのと同時にへりが到着し、圭吾は病院へ搬送された。 ■歩の行動に失望した真吾「お前は圭吾を見捨てたんだ!」 処置は無事に終わり、圭吾は真吾にカブトムシをいっぱい見つけられて楽しかったと話し、「ありがとう。山登りできたの、お父さんのおかげだから」と感謝の気持ちを伝える。 「離れて暮らしていても、俺はお前のお父さんだ」と、圭吾の言葉に喜ぶ真吾だったが、店に帰ろうとして病室を出た後、歩が別の患者と話をしていて、圭吾が蜂に刺された時、そばにいなかったことを知ってしまった。 歩の言葉を信用して圭吾に山登りをさせた真吾にとって、それは大きな裏切りだった。歩は「ごめん。そっちの対応に追われて。圭吾くんのそばを離れていなければ、もっと早く処置できたのに」と謝るが、真吾の怒りはおさまらず、「もう少しで死ぬところだったんだぞ! お前は圭吾を見捨てたんだ!」という言葉をぶつけた。 ■医師としての正論と山岳医としての正論 江森が「なぜ現場を離れた? お前の仕事は子どもたちの帯同だったはずだ」と歩を問い詰めると、「助けを求めている登山者がいたとしても放っておけと言うんですか? 自分はそんな医師にはなりたくありません」と返答。 “患者に寄り添える医師”というのが歩の考えであり、歩の“正義”でもある。しかし、江森は「医師としては正論だが、山岳医としては必ずしもそうじゃない」とバッサリと切り捨て、「お前の正義がいずれ誰かの身を滅ぼすかもしれないということを忘れるな」と忠告した。 医師として正しいことをしたと思っている歩だが、真吾と江森から厳しい言葉を投げられてしまった。歩にとって、これもまた大きな壁となりそうだ。江森の言葉、真吾の父親としての思いを理解して、その壁を乗り越えることができるのか注目したい。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部