『すみだ音楽大使』佐渡裕さんが立志舎高校吹奏楽部を指導!世界的指揮者が東京・墨田区を“音楽のまち”に「まだまだ。本気でかかります!」
世界的に活躍する指揮者、佐渡裕さん(63)が18日、東京・墨田区の立志舎高校を訪れ、吹奏楽部に“特別授業”を行った。2022年から務めている「すみだ音楽大使」として区内中高の吹奏楽部などを直接指導しており、今回で6校目。『レトロ』や『ハリウッド万歳』の楽曲指導に加え、音楽の魅力についてや、自身が最近サックスを始めたエピソードなども交えながらのトークで生徒たちと交流を深めた。 佐渡さんは墨田区の芸術文化の発信地でもあるコンサートホール「すみだトリフォニーホール」を本拠とする新日本フィルハーモニー交響楽団の第5代音楽監督に昨年4月に就任。「すみだを音楽のまちに」の思いからの活動として、多忙の合間を使って区内中高の吹奏楽部や管弦楽部を訪ねる活動を行っている。 この日も、徒歩で道に迷いながら指導校に到着すると、早速、熱血授業を開始。生徒たちの演奏を聴いて「いいじゃないですか、サイコー!ただ、もっと体を動かした方がいいね。体と頭というのがつながってこそ音楽」とアドバイス。さらに「2つの曲とも音楽的にポイントになるのはシンコペーション。パンチが効いてないとダメ。音は伸びたままだとパンチにならない」など具体的にレクチャーを続けた。 生徒たちとのトークでは、音楽について「空気の振動でしかないのに、人の心が動く。面白いよね。仲の悪い人も言葉の通じない人も音楽で協心する。音楽があるから、様々な人が一緒に生きていることが面白いと感じられる。これだけ戦争、分断がある世の中でも、音楽で1つになれる」。その魅力を説明した上で「それが僕らが音楽をやる理由」とも。 また、9月からサックスを始めたことや「指揮者は天職」と言いつつも「(昔は)コックさんと悩んだ」「(今なら)ゴルファー」「昔はものすごい緊張しいだった。それがフルートを辞めた理由にも」などと意外なエピソードも披露し、生徒も真剣な表情で聞き入った。 予定時間を大幅にオーバーして“特別授業”を終えた佐渡さんは「とても楽しかった。なんか付き合いたいなと思うバンドでしたね」と笑顔。地道な活動で「すみだのまち」に音楽を根づかせつつあるが、世界的指揮者は「まだまだ。新日本フィルが“まちの宝物”になってトリフォニーホールも成人式だけに行く場所じゃなくて、あそこに行ったら何か豊かなものがもらえる、1つの生活のチャンネルになっていけば。すみだのためにまだまだ本気でかかります」と今後の抱負を語った。
報知新聞社