50代「手指のしびれ・痛み」その違和感、見逃さないで!
更年期になると手指に痛みやこわばりが生じて、ビンの蓋が開けにくい、パソコンが打ちにくいなど、手指のトラブルが続出。これって何……? 治るの……? 更年期世代の「手指の不調」や違和感を見逃さないで。 50代から増える「体の不調」お悩み
50代に多い「手指の違和感」
こんな症状、思い当たりませんか?その痛み、しびれ、こわばり、気のせいではありません。
朝の起き抜け、指が痛くて握れない!
あれ? なんだか関節、腫れてる?
ペットボトルも、ビンの蓋も、開けられなーい
■痛い、しびれる、なんだかおかしい!更年期世代の「指の不調」は主にここに現れる 更年期に多い手指の病気は、症状が出る部位によって病名を診断することができる。以下の図で、自分の症状がある部位を照らし合わせて、何の病気が疑われるかチェックしてみて。
①指の第1関節が腫れて痛む《へバーデン結節》 ②指の第2関節が腫れて痛む《ブシャール結節》 ③親指のつけ根に激しい痛み《母指CM関節症》 ④親指のつけ根の腱鞘炎《ドケルバン病》
⑤親指~薬指の半分がしびれる《手根管症候群》 ⑥指がばねのように跳ね上がる《ばね指》
不調を緩和する「セルフケア術」
手指の不調は、セルフケアでも緩和が可能。池上先生のおすすめは以下のような方法。手指に少しでも違和感を覚えた段階からこまめに行っておくと、進行の予防にもつながるので、ぜひ習慣に。
関節ほぐし 「手指の病気は、腫れ、つまりむくみによって腱鞘が狭くなると起こるので循環をよくしてむくみをとることで改善しやすくなります。痛みのある関節を指の背と腹からはさんだり、左右からはさんでよくもみほぐすのがおすすめ」
関節プッシュ 「関節ほぐしと一緒に行うとよいのが関節プッシュ。痛みのある関節を指で優しく上下からはさんでリズミカルに押します。次に左右からはさんで同様に。病院で処方される消炎鎮痛剤の軟膏を塗って行うとより効果的です」
手指に不調が起きた時のQ&A
Q.更年期が終われば、今の手指の不調は改善するもの? A.「更年期が終われば痛みは自然に治ることが多いので、過度に不安にならなくても大丈夫です。ただし変形は治らないので、変形の兆候があったら早めに受診して進行を食い止めるのがおすすめです」 Q.リウマチや、脳や神経の病気からくる指の不調と、更年期の指の不調の見分け方は? A.「リウマチは第1関節の痛みはほぼなく、手首や肘、肩、足首など全身の関節にも症状が出るのが特徴。また、脳の病気の場合は両腕や両脚にしびれなどが出ることが多く、呂律障害や意識がぼんやりするなどの症状も出やすいのが特徴です」 Q.手指の不調があるときは、指を動かさないほうがいい? A.「手指の不調があると動かさないほうがいいと思いがちですが、体操などをして動かすと循環がよくなって症状が改善しやすいので動かすほうがおすすめ。ただし日常生活で手指を酷使するのはNG」
●教えて下さった方 池上整形外科院長 池上亮介先生 医学博士。日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本手外科学会認定手外科専門医。著書は『痛み・こわばり・変形を自分で改善!よくわかるへバーデン結節』(ナツメ社)など。 イラスト/佐藤ワカナ 取材・原文/和田美穂 ※エクラ2023年6月号掲載