日本製鉄、USスチール買収へ 「アメリカのシンボル企業。すんなり話がまとまらない可能性も」辛坊治郎が解説
キャスターの辛坊治郎が12月19日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。日本製鉄がアメリカの鉄鋼大手USスチールを買収すると発表したことを巡り、「USスチールはアメリカのシンボル企業。すんなり話がまとまらない可能性もある」と解説した。
日本製鉄は19日、アメリカの鉄鋼大手USスチールの買収を巡って記者会見を開いた。橋本英二社長は「日本の成長力を取り戻す」と表明し、アメリカで事業拡大を目指す考えを語った。買収額は141億ドル(約2兆円)で、日米の鉄鋼業界の大型再編となる。 辛坊)日本製鉄がUSスチールの買収を発表しましたが、すんなり話がまとまらない可能性もあります。最終的に話はまとまると思いますが、日本製鉄はアメリカで幾つかのハードルを乗り越えなければなりません。 アメリカは独占禁止法が非常に厳しい国です。日本の製鉄会社がアメリカを代表する製鉄会社を買収することを、アメリカの規制当局が容易に認めるかは見通せません。既にアメリカの鉄鋼関係の労働組合が騒ぎ始めています。過去には、バブル経済のときに日本の企業がアメリカのシンボル的な建物であるニューヨークのロックフェラーセンターを買収した際に、大騒ぎになっています。 今回の買収話が仮に中国の企業であれば、アメリカでは対中国の目線が厳しいですから、規制当局が「ノー」を突きつけるのは確実です。では、日本の企業だと、どうなのか―。 1980年代の日米貿易摩擦の際に日本に注がれていた目線とは全く違うとはいえ、アメリカのシンボルともいうべき企業を外資、つまり日本の企業に買収されることに対する社会的な抵抗感は、日本人が想像するのとは桁違いで大きいと考えたほうがいいです。今後、紆余曲折はありそうです。