家族との日本旅行の合間に“立ちんぼ”を買いに来る外国人男性――同世代Dが見た歌舞伎町“立ちんぼ”の変遷と観光地化 #ydocs
海外から“買いに来る”男たち
この場所が有名になったのは、日本国内だけではありませんでした。 私たちがこの6月の取材で新たに目撃したのは、立っている女性に声をかける「外国人男性」の姿です。取材中には、東南アジア系とみられる外国人男性が、女性に話しかけていました。 言葉が通じないのか、女性は必死に手を横に振り、交渉は決裂していたように見えました。 外国人の男性が増えている理由について、青母連の玄代表によると、大久保公園はネットを通じ、海外でも“立ちんぼスポット”として有名になり、最近では多くの外国人が女性を“買い”にやってくるようになり、「円安で外国人にとっては3万円でも安いくらい」と言います。 円安の影響が大久保公園の“立ちんぼ”にまで及んでいることに驚きました。 中には日本に家族で旅行に来た父親が、数時間だけ家族の予定を抜けて女性を買いにきているケースもあるといいます。 さらに通りを歩いていると、外国人女性の“立ちんぼ”も確認できました。“立ちんぼ”女性の海外での呼び名は、“ストリートガール”。 いつしかこの場所は、国内外から人が集まる“立ちんぼスポット”になってしまっていたのです。
「普通に働くより楽」彼女たちの言い分
彼女たちはなぜこの場所に立つのでしょうか?取材の中で、2人の“立ちんぼ”女性から、直接話を聞くことができました。 「私、東京の人じゃないんです」 そう語るのは、宮城県から“立ちんぼ”をするために、この場所に来たという27歳の女性。数日間立っているといいますが、稼いだ額はゼロ。誰しもが簡単に稼げる訳ではないといいます。 それでも他にやりたい仕事が見つからないという彼女は、稼いだ額をホストなど自分の好きなことに使うため、この場所に立つのだといいます。 そして、ホテル街にうずくまり売春相手を待っていたのは、3~4カ月前から立っているという20歳の女性。大久保公園の“立ちんぼ”は、ネットで知ったといいます。 多い時は1晩で10人に声をかけられ、そのうち5人と交渉が成立することもあるといいます。これまで風俗で働いていたこともあるといいますが…。 「風俗はお客さんを選べないから。一方で“立ちんぼ”は男性の顔や清潔感を見て判断できる」 彼女は“立ちんぼ”で月70万円ほどを稼ぐといいいます。その目的は、楽器を買うこと。 「普通に働いて稼いだ方が良いのでは?」 その問いに、彼女から返ってきたのはこんな言葉でした。 「普通に社会人するのが向いてない。小さいころから体が弱くて、朝から夕方まで働けない。それよりもこっち“立ちんぼ”をしているほうが楽」 さらに、その女性が明かしたのは、ホストクラブに通っている“立ちんぼ”女性から聞いたという話。 「店のツケ制度は廃止されたけど、最近はみんなホストに借金をしている。借金する先が店からホスト個人に変わっただけで、売掛の構図自体は結局変わっていない」 一部の悪質なホストクラブでは、店ではなくホスト個人に借金をする形で高額な支払いをさせているといいます。 彼女自身は“立ちんぼ”をすることに少しの抵抗もないのでしょうか? 同世代の女性として、私は率直な質問をぶつけました。 「抵抗は全くないです。お金稼げればなんでもいい」 私には理解が難しい言葉でしたが、彼女の意志に迷いはないように見えました。彼女はこれからも“立ちんぼ”を続けるといいます。 (取材・文/めざまし8取材班) (※この記事はフジテレビと Yahoo!ニュース ドキュメンタリーの共同連携企画です。 Yahoo!ニュース ドキュメンタリーが企画を採択し、パートナーが制作・編集しています。 #Yahoo ニュースドキュメンタリー #めざまし8 #フジテレビドキュメンタリー )
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