松平健 17年ぶり「暴れん坊将軍」 来年1・4新春特番で帰ってくる 芸歴50年「とても大切な存在」
俳優の松平健(71)が主演する国民的人気時代劇「暴れん坊将軍」(テレビ朝日)が17年ぶりに復活する。「新・暴れん坊将軍」のタイトルで来年1月4日午後9時から放送される。2008年12月に放送された特番以来の新作に、松平は「実現することができて本当に感激しています」と復活を喜んでいる。 江戸幕府の第8代将軍・徳川吉宗が貧乏旗本の三男坊「新さん」として庶民の暮らしに紛れながら悪を討つ痛快時代劇。1978年1月にスタート。03年まで12シリーズが制作され、特番も含めるとこれまで計832回放送された。今年は松平が芸能生活50周年、テレ朝が開局65周年の節目。それを前に企画は持ち上がった。松平は23歳から吉宗を演じており「暴れん坊将軍、そして吉宗は私の芸能生活とともに生き“俳優・松平健”を育ててくれた、とても大切な存在」と思い入れの深さを語る。 新作の撮影は、今秋に京都・太秦の東映撮影所で行われた。映画「十三人の刺客」などの監督として知られる三池崇史氏が演出を担当。NHK大河ドラマ「青天を衝け」などの大森美香氏が脚本を手掛けた。還暦を控えた吉宗が世継ぎ問題に直面する姿などを描く。共演者は今後発表される。 今年9月には「SHOGUN 将軍」が米エミー賞で史上最多の18冠を獲得した。服部宣之ゼネラルプロデューサーは「日本が世界に誇る将軍は“暴れん坊将軍”」と対抗心をあらわにし「京都・太秦からお届けする時代劇は、日本が世界に誇るエンターテインメント。そんな思いを込めて17年ぶりに再始動することとなりました」と力を込める。日本が世界に誇る「将軍」が暴れて新年を華やかにしていく。(山内 健司) ▼松平健 2024年に芸能生活50周年を迎えましたが、「暴れん坊将軍」、そして吉宗はそんな私の芸能生活とともに生き、“俳優・松平健”を育ててくれた、とても大切な存在です。だからこそ、今回のオファーはこの上なくうれしかったですね。ずっと復活を熱望していたので、実現することができて本当に感激しています。 「暴れん坊将軍」のドラマ撮影は久々ですが、いざ演じてみたらまったくブランクを感じることなく、すんなり入ることができました。気持ちとしてはシリーズ当時のまま、あまり変わっていないからでしょうか。自分でも、そこは少し不思議な感覚でした。 「暴れん坊将軍」はいわゆるヒーロー時代劇ですので、これまで家族や家庭といったものは一切、表現されることはなかったのですが、今回は物語に3人の息子が登場します。今までにない親子愛や後継争いなども描かれ、大変内容の濃い、いい作品に仕上がるのではと思っています。また、三池崇史監督らしく、立ち回りシーンは今までとはタッチの違う撮影手法にチャレンジしているので、私自身、出来上がりが楽しみで仕方がありません。ぜひ多くの方々にご覧いただきたいですね。 ▼服部宣之ゼネラルプロデューサー 海の向こうで、何かと“将軍”が話題になったこの1年。日本が世界に誇る将軍は“暴れん坊将軍”です。そして、京都・太秦からお届けする時代劇は、日本が世界に誇るエンターテインメント。そんな思いを込めて、17年ぶりに「暴れん坊将軍」を、「新・暴れん坊将軍」として再始動することとなりました。 監督に三池崇史さん、脚本に大森美香さんという日本が誇るトップクリエイターをお迎えし、代々受け継がれてきた伝統に新たなアイデアを融合させ、2025年の年始を飾るにふさわしいエンタメ大作に仕上がった…と自負しております。 松平さんが吉宗の恰好となり登場された撮影初日、長年、暴れん坊将軍を共に作りあげてきたスタッフから「お帰りなさい!」「待ってました!」と声がかかった光景に、いかにこの“暴れん坊将軍”が、みなさまに愛されてきた時代劇か…を改めて感じ、胸が熱くなりました。 17年ぶりに吉宗を演じた松平さんは、そのブランクを全く感じさせず、25人を相手に立ち回った最後の殺陣では、そのスピード、美しさに思わず見とれてしまうほどでした。 これから続々と発表されていくお正月らしい華やかな共演者の皆さまにもご期待を頂き、ぜひご家族そろって、日本が世界に誇るエンターテインメント「新・暴れん坊将軍」をお楽しみ頂ければ幸いです。 ▽暴れん坊将軍 同じ俳優が演じた単一ドラマとしては大川橋蔵主演「銭形平次」の888回に次ぐ長寿番組。「余の顔を見忘れたか」「成敗!」が主人公の決めぜりふ。白馬に乗って波打ち際を疾走するオープニングが定番。オープニングテーマ曲とエンディング曲を務めた歌手の北島三郎(88)は吉宗の古なじみの辰五郎役で出演していた。ほかに横内正(83)や中村玉緒(85)らも出演。現在はテレ朝の早朝帯に第7シリーズが関東ローカルで再放送されている。 ≪11年仮面ライダー映画で“復活”≫08年の特番放送後、“暴れん坊将軍”が一度復活を果たしたことがあった。11年公開の「劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」で、主人公が江戸時代にタイムスリップ。江戸の町でピンチに陥ると、松平演じる吉宗が馬に乗ってさっそうと援軍に現れて怪人たちを討伐する場面があった。