「走る男」で再ブレイクの森脇健児「21時に寝て4時半起き」の現在「最近お金をかけたのは人間ドックの80万円」
── 現在、テレビやラジオなどのメディアをはじめ、マラソンなどのスポーツイベント、講演など、幅広いジャンルで活躍されています。ご自分としては、「再ブレイク」といわれる現状をどう見ていますか? 森脇さん: 再ブレイクだなんて、自分ではまったくそんなふうに思っていないです。むしろ、北野武監督の映画『キッズ・リターン』の名セリフ「まだ始まっちゃいねぇよ!」じゃないけれど、「自分はまだ始まってもいない」と思っていて。これまでの経験はすべて序章。ここからまた新たな物語が始まる気持ちでいますね。
■毎回が真剣勝負「お客さんもプロですから」 ── なるほど。「くたびれ感」がないのは、前向きなそのマインドと心の若さのせいですかね。 森脇さん:気持ちはつねに挑戦者ですね。ぼくにとって、一つひとつの仕事がオーディションだと思っているので、毎回チャンスを取りに行くつもりで挑んでいます。そこで手応えを得られれば、また次へとつながっていきますから。いまだにどんな仕事でもワクワクできるのは、挑む気持ちがあるからじゃないかなと思うんです。
12本のレギュラー番組を抱え、寝る間もなかった20代から一転、人気が低迷して30代は暗黒期。そこから、ようやくまた皆さんの前でこうしてしゃべることができている。ジェットコースターのように波乱万丈な経験をしているので、引き出しにはいろんなネタが詰まっています。「25歳で年収1億円」「バブル期で移動はヘリコプター」なんて過去の栄光も、全部ネタになりますし。これはぼくにとって大きな強みだと思っているんです。
とはいえ、単なる昔話や自慢で終わると意味がないので、それをいかにおもしろおかしくしゃべってみんなに笑ってもらえるか。ここが芸人としての頑張りどころです。日々、頭を働かせ、汗をかきながら努力し続けていかないといけない。やっぱり年とともに、脳も感性もどんどん錆びついていきますから。 ── 年を重ねても、錆びない努力を続けるのは、素敵な考え方ですね。 森脇さん:関西で30年ほどラジオ番組をやっているのですが、それがすごく役立っていますね。いまも毎週4時間ほど番組を持っているので、つねにアンテナを張って、気になるところに足を運んだり、街の人たちとしゃべったり。いろんな刺激を得ながら、物事を深く掘り下げるようにしています。リスナーさんのなかには長年聴いてくださっている方も多いので、少しでも手を抜くと簡単に伝わってしまう。こっちがしゃべるプロだとしたら、あちらは聴くプロ。だから、毎回が真剣勝負で、絶対に手は抜けません。