上野に富山アンテナ店 富山信金が仲介、9月限定 県特産品、復興をPR
富山信用金庫の仲介で東京・上野に9月、富山県の「アンテナ店」がお目見えする。今年2月にオープンした朝日信金(東京)の施設を活用し、連携協定を結ぶ県内自治体などに出店を呼び掛けている。地元産品を売り込み、能登半島地震の復興支援にも役立てたい考えだ。19日、富山信金の山地清会長が富山新聞社の取材に「富山のものを東京で売っていきたい」と計画を明らかにした。 ●県内自治体に出店呼び掛け アンテナ店が設けられるのは、上野のアメ横商店街に近接する「上野しんきん館」。朝日信金が保有する6階建てビルをリノベーションし、地域貢献のため1~3階を「しんきん館」として全国の自治体などに無償で貸し出している。 1階は28平方メートルで台所を備え、飲食の提供が可能で主に店舗の利用を想定する。2階は32平方メートルで展示・販売スペースとして利用でき、2階と同じ広さの3階は事務室と商談スペースとして活用を見込む。 富山信金は自治体と出店に向けた調整を始めており、海産物をはじめとする特産品に加え、ふるさと納税の利用促進へ返礼品の販売も想定する。観光PRのほか、県内の人口が100万人を割る中、移住に関する施策のPRもできないか検討を進めている。 上野しんきん館は、信金中央金庫の子会社の地域商社「しんきん地域創生ネットワーク」や全国各地の信金の仲介で、自治体に出店を募っている。 第1号として、岩手県西和賀町が北上信金(同県北上市)の仲介で2~3月末に出店。地元産品を販売し、期間中に1280人が商品を購入した。4~6月は大地みらい信金(北海道根室市)の子会社の地域商社「イーストフロント北海道」が出店しており、道東の産品を売り込んでいる。