【RIZIN】榊原CEOに聞く、群雄割拠のフェザー級戦線。シェイドゥラエフは11月連戦、萩原には「恥を晒しながらも戦い続けて」
2024年9月29日(日)『RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)が11,247人の観衆のなか、行われた。 【写真】2度目の腕十字を極められたアーチュレッタ。覇気がなかった 全11試合中8試合がフィニッシュ決着となった今大会では、開国が進んだフェザー級で3試合、新たな王座を巡り新旧のせめぎ合いが活発なバンタム級が4試合、そしてライト級の王座戦、浅倉カンナの引退試合、フライ級の国際戦などが組まれた。 フェザー級では、フアン・アーチュレッタ(米国)とラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)の強豪海外勢対決が行われたが、大みそかのバンタム級戦で2.8kg体重超過し、フェザー級に上げていたアーチュレッタがまさかの2.9kg体重超過で変則キャッチウェイト戦に。 しかし、試合を了承したシェイドゥラエフが、一回り大きなアーチュレッタに1R 3分12秒 腕十字で一本勝ち。MMA戦績を12戦無敗とし、王者・鈴木千裕との対戦を希望した。 試合後、榊原信行CEOは、アーチュレッタのRIZINで2度目の体重超過に「彼はキャリアもあるし、Bellatorというアメリカのトッププロモーションでやっていた選手の割には、フェザーに上げてもまだ体重オーバーするかよっていう感じで、残念で仕方ない。2度にわたり体重を作って来れず、キレてます正直。それでも試合をして、当日のリング上だとたぶん10kg近い差があってもシェイドゥラエフの凄まじい強さに(負けた)。体重オーバーしてこんな結果しか出せないんだったら、アーチュレッタ、呼ぶ価値ないんじゃないかと思ってしまう。プロモーターとしてはなかなか、決してギャラの安い選手ではないし」と、今後の招聘に難色を示した。 計量失敗で37歳の身体がこれまでの減量方法に耐えられなくなっているのでは、との声も上がるなか、アーチュレッタは試合後「RIZINが許してくれるなら、これからも活動したい」と継続参戦を希望していたが、ティキ・ゴーセン&ポール・ヘレイラと離れたなか、いかに自身をマネージメントしていくか。 一方で、武田光司戦に続きRIZIN2連勝。MMA12連勝をマークしたシェイドゥラエフについては、「前評判通り、バケモノぶりをRIZINファンに見せつけた、この先楽しみ」と高く評価。 「12戦12フィニッシュですからすごい戦績ですよね。武田選手に勝ってアーチュレッタに勝って。ただ(シェイドゥラエフが望む)いきなり千裕というわけにはいかないと思いますね。千裕が戦わなくちゃいけない選手は何人も並んでるんで。(千裕が)怪我明けで年末に誰との対戦になるかは最終調整をします。シェイドゥラエフは今日も圧倒的な強さで無傷で終わってるんで、名古屋でいいんじゃないかなって思ってます」と、いきなりの王座戦線抜擢には早いものの、11月17日の名古屋大会にシェイドゥラエフを参戦させたいとした。 また、第1試合では、カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)が、木下カラテ(和術慧舟會HEARTS)を1R 1分48秒、左ストレートで衝撃KO。1月の松嶋こよみ戦、6月の関鉄矢戦、今回の木下戦と3試合連続左のパンチで初回KO勝ちをマークしている。 榊原CEOは、「アメリカはMMAのレベルの高い地域ではありますが、トッププロモーションで戦っている選手でも、キルギスで本当に若くてハングリーで日々精進してる選手には、体重超過をしながらも一本取られる。一本取ることができる選手たちが東アジアにも、そして日本にもたくさんいると思う。1試合目に木下カラテ選手とやったダウトベックもしかり、世界中には強豪がいるなと。本当に色んな強豪をこれからも世界から発掘して磨いていけたらいいなと、そう思ってます」と、今後も非UFCの強豪を発掘していく考えを示した。 第4試合のフェザー級戦では、高木凌(パラエストラ八王子)が、萩原京平(SMOKER GYM)に1R 2分39秒、リアネイキドチョークで一本勝ち。萩原にとっては、RIZINで牛久絢太郎、武田光司、高木凌戦の3連敗となった。 2022年3月の弥益ドミネーター聡志戦の黒星以降、1勝6敗の萩原について、榊原CEOは、「勝ち癖・負け癖あって。よくあれだけ気持ちよく(一本を)取られちゃうね」と苦笑後、「強くなれよという感じです。京平ともちょっと立ち話をしましたけど、これ以上、恥をかきようはないんだから、“最後ベルトを巻いてやろう”と長南(亮・TRIBE TOKYO MMA代表)に(出稽古の)“お客さん”ではなく、男と男として崖っぷちで磨いてもらう。全てを託すつもりでやったほうがいいと思う。恥を晒しながらも戦い続けてほしい」とゲキを飛ばした。 一方で、一部サイトで萩原が元妻へのDVで逮捕されていたと報じられた件については、「ざっと読みましたけど、僕らが本人から聞いている話とだいぶ違うんですね。(記事中でコメントしている)RIZIN関係者というのも意味が分からない。僕らからそれに対して話をするというのは特にはありません。多分言い分はそれぞれあると思うので、それがどういう推移をしていって。これは完全に法律にのっとった国のルールがあるんで、そのルールの中でどういう結論になって、萩原選手とどう向き合うのかということだろうと思います」と、静観して動きがあれば対応するとした。 11月17日(日)には、愛知・ポートメッセなごや『RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA』の開催も決定。 前RIZINフェザー級王者のヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)の参戦が発表された。 ケラモフは、2023年11月の『RIZIN LANDMARK 7』アゼルバイジャン大会での鈴木千裕戦でのKO負け以来のRIZIN復帰となる。同大会におけるトラブルから懲役6カ月として拘留されていたが、榊原CEOによれば、「拘留されていた嫌疑も全部晴れて無罪になってるので、刑を終えて出てきたわけではないです。(入国が可能となり)アゼルバイジャンの日本大使とも話をして『すごく楽しみにしている』と言っていました。ケラモフにはこれまでの悔しさを11月に見せてもらいたい」と期待を寄せた。 ケラモフの対戦相手は、今回のさいたま大会の勝者も含め、検討されるとした。実力派と人気者が混在するRIZINフェザー級戦線で、王座戦線に生き残るのは、誰か。
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