一族が守り続けてきた“白い”タンポポ 大学教授も協力して「クローン」で「みんな」で未来に残したい“生きる文化遺産”
東北地方では気候的に自生するのは難しいシロバナタンポポ。江戸時代に青森県板柳町に持ち込まれ、大切に管理されながら受け継がれてきました。 ▼「なくせばまいねや…」祖父が愛し守り続けたシロバナタンポポを“クローン技術”で後世に… 近年は数を減らし、姿を消す恐れがあるため、保全する取り組みが進んでいます。 ■一族が守り続けてきた“白い”タンポポ ポットに植えられているのは、東北地方では希少なシロバナタンポポの種です。板柳町で11月4日に開かれたワークショップで、町内外から参加した人たちが保全活動の一環として種をまきました。企画したのは、地元の北畠清美さんです。 シロバナタンポポを保全する 北畠清美さん 「すごくワクワクした顔が見られて嬉しい。自分だけだと引き出しの限界もあるし、体力の限界もある」 シロバナタンポポは西日本に多く分布する植物で、東北では自生することが難しく、人の管理が必要とされています。 板柳町には、江戸時代に紀行家の菅江真澄が持ち込んだとされています。その貴重な株を代々守ってきたのが北畠家でした。 ■「クローンで増えていくタイプのタンポポ」大学教授も協力 自宅の敷地内で栽培してきましたが、近年は数を減らして姿を消す恐れがありました。このため、清美さんが2024年5月にワークショップを開催。北畠家ではない場所、板柳町の「多目的ホールあぷる」に初めて苗を植えました。 シロバナタンポポは春と秋の2回花を咲かせるとされていて、花壇に植えた苗の一部はこの秋、見事に咲き誇りました。協力したのは弘前大学教育学部の勝川健三教授です。 弘前大学教育学部 勝川健三 教授 「クローンで増えていくタイプのタンポポ。そのため、種から芽がでるのがもともと難しい植物。100粒から2つ芽が出たらいいかなという発芽率」 ■来年の春に“もう一度”花開け 今回のワークショップでまいた種は、5月に植えた苗から採取しました。これからは雪が降るため、勝川教授に温度などを管理してもらい発芽させて2025年春に再び花を咲かせることを目指しています。
参加した人は 「育てていくのが難しいということだったので、自分たちで守っていかなければならないんじゃないかなと思います」 北畠清美さん 「地域のことを知ってもらう1つのアイテムとして考えていたので、1番は板柳町の小中学生の人たちにも地域の1つの文化遺産として『板柳にこういう植物があるんだ』という認識をもって楽しんでもらえたら」 北畠さんは今後もワークショップを開き、シロバナタンポポを生きる文化遺産として板柳町に残すことを目指しています。
青森テレビ
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