議員ハラスメント防止条例可決 沼津市議会、静岡県内初も全会一致ならず
沼津市議会は13日、議員発議で提出された県内初となる議員によるハラスメントに特化した防止条例案を11月定例会最終本会議で原案通り可決した。一部会派から議員対職員に限られる点などに異論が出て、全会一致とはならなかった。大半の議員からは「制定で自らを律することにつながる」と抑止効果を期待する声が上がった。 議案は今年5月、議員の職員に対するパワーハラスメントの疑いがある事案の発覚を受け、議会内で議論を重ねてきた。最終的には議長と会派「未来の風」の2人を除く市議25人の連名で提出された。同会派の江本浩二氏は討論で「議員間のハラスメントが対象とされず、被害告発者保護の仕組みが不十分」との意見を述べ、同会派は採決でも反対した。 議会内でも全会一致にならなかった点は「残念。特別委員会をつくって、全員の一致点を探るやり方もあった」(ベテラン議員)との意見もある。一方で「実際にパワハラを疑う事案があり、今後同様の事案があった際に対応するために必要」(中堅議員)との声が強く、片岡章一副議長を中心に条例をまとめた。 保守系の最大会派「志政会」の浅原和美代表は「本来、このような条例は必要ないものでなくてはいけない」と自ら戒めることが必要と強調。連合系会派「市民クラブ」の深田昇代表は「ハラスメント認定は難しい面がある。条例で一定の基準を示すことで未然の抑止効果がある」とする。共産党市議団の川口慶代表は「完璧な条例ではないかもしれないが、新たな問題が発生した際に対応する足がかりになる」と期待した。
静岡新聞社