マイナス金利解除で住宅ローンはどうなる?ファイナンシャルプランナーがラジオで解説
【以下の画像は例です】 借入金額4000万円(当初年0.5%の変動金利、元利均等返済)、この条件で返済開始から2年後まで半年ごとに金利が0.5%ずつ上昇した場合。 ※計算は「借入金額4000万円×(年利÷12カ月)」で算出する簡易的なシミュレーションなので、あくまでも目安と考えてください。 ■変動型から固定型に変えるべき? 変動型にしている人はこれを機に固定型に変えた方がよいのでしょうか? 結論、変動型の金利がすぐに上昇するとは考えにくいです。よってまだ固定型に変えなくても良いと思います。 銀行が短期プライムレート(以下、短プラ)を上げないと変動金利には影響はありません。変動金利のベースとなる基準金利は短プラ+1%です。現在メガバンクの短プラは1.475%ですので、多くの金融機関で使われている住宅ローン基準金利は2.475%になります。 基準金利から引き下げ幅(優遇幅)を控除したものが適用金利(実際に住宅ローン利用者が支払う金利)となります。例えば、基準金利が2.475%で引き下げ幅が2%の場合、適用金利は0.475%になります。 この引き下げ幅は、住宅ローン利用者の「属性」や「借りた時期」によって異なるため、同じ金融機関の変動金利の住宅ローンを借りていても住宅ローン利用者によって適用金利が異なることがあります。 ■今後の金利の動向は? マイナス金利解除で今後の金利の動向はどうなるのでしょうか? 今後の金利の動向ですが、日銀は少なくとも近々大きく引きあげるつもりはなさそうです。 欧米で金利が急騰した背景には、物価の高騰があります。このインフレ対策(インフレ退治)のために金利を上げました。アメリカの住宅ローンは3%台から7%台まで急騰しました。 日本のマイナス金利解除の背景にもこの物価上昇があります。日銀は、賃金の上昇を伴う形で物価が安定的に2%上昇する「賃金と物価の好循環」が見通せるようになったと判断したからマイナス金利を解除しました。しかし、今後今まで以上に賃金が上昇しないと金利を上げてこないと思います。
あと目安になるのは日銀が年4回(1、4、7、10月)公表している経済・物価見通しの動向をチェックすることです。1月に公表した2024年度の物価上昇率はプラス2.4%、2025年度はプラス1.8%なのでインフレがさほど進まないと予想されています。今後国内物価が落ち着いてくれば、日銀はこれ以上の短期的な金利上昇をさせないでしょう。でも、物価上昇が止まらないようなら、さらに金利を上げるしか手がありません。 残念ながら私はそのリスクは十分にあると考えています。さらに長期的にみれば、金利上昇は避けて通れない道です。変動型で借りている人は今後の金利動向やニュースをチェックしておく必要があります。
RKB毎日放送