アジア杯、対戦国の記者が振り返る。「日本がこれほどヒドいとは......」
サッカー・アジア杯の決勝は、ホスト国カタール(大会開幕時のFIFAランキング58位。以下同)が、準決勝で韓国(同23位)を破るなど勢いに乗っていたヨルダン(同87位)を3-1と下し、2大会連続2度目の優勝を飾った。 一方、同ランキングでアジア最上位の17位、〝歴代最強〟との前評判で大会に臨んだ日本代表は、準々決勝でイラン(同21位)に1-2と敗れ、ベスト8で姿を消した。 ベトナム(○4-2、同94位)、イラク(●1-2、同63位)、インドネシア(○3-1、同146位)と同居したグループリーグを2位で通過した日本は、決勝トーナメント1回戦でバーレーン(○3-1、同86位)を破った。 だが、準々決勝のイラン戦を含め、すべての試合で失点を許す不安定な戦いぶり。特に高さとパワーを前面に出してきたイラクやイランに対しては弱さを露呈した。 では、そのイラク、イランに日本はどう映ったのか? まずは現地でアジア杯の取材をしていたイラクメディア『IQ-PRO』のハムザ・ディア記者。「日本は世界最高のチームのひとつだと思っていた」としながら、「ロングボールやハイボールを苦手にしているとはいえ、これほどヒドいとは思っていなかった」と振り返った。 「もちろん、日本戦で2ゴールを決めたFWフセインはアジアでも最高のストライカーで、彼を抑えられなかったのは日本だけではない。 私は、もし彼がベスト16のヨルダン戦で退場になっていなければ、イラクが優勝していたとさえ思っている(フセインはヨルダン戦の76分に4試合連続、大会6点目となる勝ち越し点を決めながらも、直後のゴールパフォーマンスで2度目の警告を受け、退場処分に。その後、イラクは逆転を許した)。 ただ、日本には優秀な選手が多くいるのに、なぜ若いGK鈴木彩艶や、故障を抱えて万全でない三笘 薫らの招集にこだわったのか。個人的には久保建英がどんなプレーをするのか楽しみにしていたが、所属クラブのレアル・ソシエダのときとは別人のようでいいところがなかった」 続いてイランメディア『GOL BEZAN』のエルファン・ホセイニー記者。「日本は対戦国に研究され、それに対応できていなかった」とし、イランが逆転勝ちした一戦も、「(イランの)対策勝ちだった」と振り返った。 「日本戦での左サイドのDFモハマディとFWモヘビの起用は私にとっても驚きだったが、スピードのある日本に対し、フィジカルの強い彼らを当てたことがハマった。特にモヘビは唯一先発した日本戦で同点弾を決めたのだから。 一方、イランにとっては前田大然のスピードが脅威だった。前半に日本がリードした後は、もっとボールをキープされて苦しくなる展開を予想していたのだが......。 同点となった後の三笘と南野拓実の投入は、まったく効果的とは思えなかった。また、日本の2列目にはいい選手が多いのに、肝心のFWは......上田綺世は悪くないが、大黒柱というには物足りなかった」