中学受験塾で見えた「志望校に合格できた親子」の共通点
子どもの成績は、実は自分で無意識のうちに決めている「ゾーン(レベル)」の結果によるものだそう。つまり、オール2の子は「オール2のゾーン」を、オール5の子は「オール5のゾーン」を自ら選んでいるのです。 【データ】子どものリビング学習は本当に増えている? 成績上位5%の親に聞いた「子どもの学習場所」 志望校に受かる子がやっている「ゾーンの自己決定」について、教育評論家の石田勝紀さんに解説していただきました。 ※本稿は、石田勝紀著『中学受験に合格する親子の「魔法の会話」』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。
志望校に合格する子ができている「あること」
志望校に合格する子は、勉強をたくさんするとか、塾に行く以前に、あることができている子が圧倒的に多いのです。 しかし、この超重要なことは一般には語られません。なぜ語られないのか謎ですが、ここが固まると受験のみならず、自分の人生を思い通りに選択できるようになります。「これまで数々の子どもたちの成績を上げてきたノウハウは何ですか?」と聞かれたならば、それはこれからお話することだと答えます。それは、 「どのゾーンで行きたいかを決める」 ということを子どもたちにさせてきたことなのです。 わかりやすく5段階評価でいえば、「あなたは、1~5のどのゾーンで行きたいか?」ということです。オール2のゾーンか、オール3なのか、オール5(これらは大方の目安です)なのか、「5つのゾーンのうち、いずれのゾーンを取るのか?」ということです。
子どもは自分で自分の「ゾーン」を決めている
このような質問をすると子どもたちは「?」となります。今まで聞いたことのない話なので、驚くのです。続けて私は次のように言います。 「オール1のゾーンもオール2のゾーンも悪くない。どのゾーンを選ぼうがそこには、良い悪いというものはない。それぞれ、ひとつの生き方なので。だからオール1の成績であろうが、それは自分が1で行くと決めたのだから、それはそれでいいのである。 しかし、ひとつだけ重要なことがある。それは、自分よりも上のコースを歩んでいる人を『羨うらやましがったり、嫉妬したりしてはいけない』ということだよ。自分でそのコースを選んでおきながら、羨ましがるというのはおかしいだろう」 「自分でそのコースを選んだ」と言うと、「いや、自分では選んでいない」と子どもは言うかもしれません。 しかし、実際は”選んでいる”のです。その証拠に、もしオール4のコースやオール5のコースを選択したなら、それなりの勉強をするはずなのです。それを、勉強しない、宿題をやらない、テスト勉強をしないということであれば、明らかに自分でそのゾーンを”選択”しているのです。 これは非常に重要なことなので、「中学生の勉強法」という講座ではいつも話をします。もちろん、中学受験をする子どもたちにも話をします。