阿炎が新大関・大の里を連破 先代師匠の元関脇・寺尾をきっかけに取り組んだ右差しで華麗なすくい投げ
◆大相撲 ▽九州場所4日目(13日・福岡国際センター) 東前頭3枚目・阿炎(錣山)が、新大関・大の里(二所ノ関)を破り、3勝目を挙げた。立ち合いの強烈なのど輪で相手の上体を起こすと、前に出てきたところで右を差し、土俵際でのすくい投げ。「立ち合いで先手を取れたことがよかった。圧力じゃ勝てないので、動きで勝とうと決めていた」と振り返った。先場所に続く勝利で、新大関に土をつけた。「いつも通りの気持ちで臨んだ。こうやって大関に勝ったことは自信になる。自分のためになる」と笑顔で語った。 突き押しを得意とする阿炎だが、「押し一本では年齢的にもきついなと思った。先代も右四つができたから、そろそろかなと思った」と、昨年12月に亡くなった先代師匠(元関脇・寺尾)を参考に、21年名古屋場所の十両復帰から四つ相撲の習得に挑戦。稽古場ですくい投げの練習こそしたことはないというが「練習することによって関連する動きができるようになった。右四つの練習をしてきた成果が出た」と口にした。最後には「まだそんな年齢とか言う歳ではないですけれどね」と笑わせた。 九州場所は22年に幕内優勝を果たした験のいい場所。先場所10敗で三役から陥落した悔しさを土俵にぶつける。
報知新聞社