貧乏人も若者も、スマホを使いこなせない人も、今やお呼びではない…。ディズニーで静かに進む「デジタル音痴の排除」の“本質的な要因”とは?
こうしたイメージから、客足が離れてしまったことは十分に予想できるだろう。 ■「ディズニーの若者離れ」報道も悪い印象を与えたか? ファクトブックによれば、近年のディズニーリゾートは、40歳以上の来園者が増え、若年層の入園者が減っているというデータがある。 2019年3月には21.2%だった大人(40歳以上)の割合が2024年3月には33.2%と急増。一方で、大人(18~39歳)の割合は同期間で50.7%から41%と減少。中人(12~17歳)はほぼ横ばいだが、小人(4~11歳)も15.2%から13.4%と減少している。大人(18~39歳)の範囲が幅広いため断定的には言えないが、若年層の減少と高齢者層の増加が起こっている。
こうした高級化と若年層の客離れが、一部報道では「ディズニーの若者離れ」としてセンセーショナルな形で報道され、それらがどことなくオリエンタルランドの先行きの不透明さを表しているようにも思えてしまったのだろう。 もちろん、オリエンタルランドは企業であり、利潤を上げるために顧客の選択を行っているにすぎない。 ただ、どうしても「ディズニー=夢の国」という印象が強いこともあって、その落差が客足を遠のけたり、ひいては株価下落に影響を及ぼしたりしている印象が否めない。
■「デジタル以外お断り」というもう一つの「選択」 ところで、こうしたディズニーのイメージ低下は「高くなって金持ちしか行けない」以外にも原因があるようだ。 それが、「スマホ使えないやつら相手にしてません」感だ。 Rょーへー(R)さんがXで「オリエンタルランド現地調査結果」としてまとめた長文には、「ほとんどすべての施設機能がアプリを使えることが前提になっている」という旨の記載があって、それが大きな反響を呼んでいた。
この投稿には、多くの賛同が集まった。ディズニーリゾートは今や、「デジタルに対応した人以外に優しくない」施設だと、どことなく思われているのだ。 確かに、ディズニーはコロナ以後、基本的には専用アプリが無ければ入場できないシステムに移行している(紙チケットもあるにはあるが、レアだ)。 アプリ上に表示されるチケットをかざさなければ園内に入れないのだ。レストランやショーの予約なども、このアプリを通してしかできない。