海岸にポツン…巨大な穴 『一つ目小僧』の謎 幅2メートル・深さ1メートル超 ただの“甌穴”ではない?なぜこの場所に…自然が生み出すミステリーとは?
三瓶自然館サヒメル 中村唯史 学芸員 「本来こういう地形って海面と同じ高さで波が岩を削ることで出来ていく地形なんですよ。ところがここって海面より4~5メートル高いんですね、なんでこんな高いところにこの穴があるのか。」 1つめのミステリーは、「海面からの高さ」。 ポットホールは波の力で作られるため、海面に近い高さでできるのが一般的。 しかし、この場所には波が届きません。 海が荒れやすい冬の間だけはこの高さまで波が打ち付けることもあるため、非常に長い時間をかけて作られた、という可能性もなくはないそうですが… 三瓶自然館サヒメル 中村唯史 学芸員 「そういう古い時代となると10万年以上前の地形なんですよね、そうするとここの岩って比較的柔らかいんですよ、もっとデコボコになってるんじゃないかな、古いにしてはえらくきれいに平らだなってのは疑問点の1つ」 もう1つの可能性として考えられるのが… 三瓶自然館サヒメル 中村唯史 学芸員 「もともと海面の高さで出来た平らな地形が、地震による隆起で数メートルあがったんじゃないかと。どっか数千年前という時代に一度上がってるかもしれない」 今年1月に起きた能登半島地震でも地盤の隆起が一部の海岸で見られましたが、この海岸でも昔大きな地震があり、隆起したという可能性を指摘します。 しかし、この説も… 三瓶自然館サヒメル 中村唯史 学芸員 「記録にない古い時代の地震の痕跡が地層の中から見つかることがあって、このあたりのエリアでもいくつか見つかってるけど、それらはすべて明治時代の浜田地震のもの。ここの地震を証明するようなものは今のところないってことなんです。」 考えれば考えるほど謎は深まるばかり。 さらに、もう1つミステリーが… 三瓶自然館サヒメル 中村唯史 学芸員 「ここに1個だけ大きな穴がなぜあるのかということ、まわりにもっとあってもいいじゃないかと」 実際に波がかかる場所を見てみると、無数の小さな穴が。 いわゆるポットホールの卵です。