「白い、おか子、ぼう子」を読めますか? 教わる学年にこだわると漢字が覚えられない理由
国語教育に長年従事し、国語に関する著書も多い福嶋隆史さんは、「本当の漢字力とは、『書き取り力』でも『読み取り力』でもなく、いわば『意味取り力』」だと語り、漢字は教わる学年にこだわらないほうがよいと説いています。 【データ】偏差値70超の子の土日の学習時間は? 本記事では同氏が上梓した『ふくしま式「本当の漢字力」が身につく問題集』でその理由に触れた一節を紹介します。 ※本記事は福嶋隆史著『読解力アップにつながる! ふくしま式「本当の漢字力」が身につく問題集』(大和出版刊)より一部抜粋・編集・加筆したものです
「習っていない字 」という発想を捨てよう
突然ですが、これ、どう読みますか? 「白い」「おか子」「ぼう子」 どうみても、「しろい」「おかこ」「ぼうこ」ですよね。 でも実は、それぞれ「白衣 」「お菓子」「帽子 」という言葉だった――なんてことが、多々あります。 「衣」は四年で習うから三年までの教室では使えない。「菓」も「帽」も小学校で習わない。だからと言ってひらがなにするといかに不便か、すぐ気がついたでしょう。
「穴と空」一年生と六年生が習うのはどっち?
さて、もう一ひとつ。 「穴」と「空」、「義」と「議」、それぞれ、どちらを先に習うか知っていますか? 穴が六年、空は一年。義は五年、議は四年。つまり、筆画の複雑なほうが先になっているのです。 文部科学省が定める学習指導要領に「学年別漢字配当表」というものがあり、これが配当学年の基準になっているわけですが、まあせいぜいこの程度のものです。根拠というほどの根拠はありません。 ですから、「習った漢字 、習っていない漢字 」という発想を捨てましょう。本などを読んでいて目にした漢字は、どんどん覚える。この姿勢でいれば、知識が増え、読解力が向上するのです。
学年別漢字配当表はどうなっている?(平成29年告示・小学校学習指導要領より)
実際の学年別漢字配当表に掲載されている学年別で覚えるべき漢字を示します。 改めて見ると意外なものもあるかもしれません。例えば幼稚園の「幼」の字は、最高学年の6年生に設定されています。
第1学年(80字)
一 右 雨 円 王 音 下 火 花 貝 学 気 九 休 玉 金 空 月 犬 見 五 口 校 左 三 山 子 四 糸 字 耳 七 車 手 十 出 女 小 上 森 人 水 正 生 青 夕 石 赤 千 川 先 早 草 足 村 大 男 竹 中 虫 町 天 田 土 二 日 入 年 白 八 百 文 木 本 名 目 立 力 林 六