災害に備え、車中泊の正しい技術と知識を学ぶ!最低限必要な“三種の神器”とは?
車中泊避難で必要なアイテムをカテゴリー別に紹介
――他にも、普段からクルマに積んでおけば便利というアイテムがあれば教えてください。 「ラゲッジスペースには限りがあるのですべては積めないと思いますが、車中泊避難で必要なアイテムを、「衛生、飲食、睡眠、生活、通信、補修」の6つのカテゴリーに分けて紹介します。 ①衛生:携帯用トイレ、ウェットティッシュ、トイレットペーパー ②飲食:飲料水、非常食、マッチ&ライター(※車内に積みっぱなしにしないこと) ③睡眠:銀マット、毛布&タオル、耳栓&アイマスク ④生活:ウエア類、圧縮袋、LEDランタン ⑤通信:充電コード、モバイルバッテリー、テレホンカード ⑥補修:テープ類、針金、マルチツール(五徳、十徳ナイフなど) この他、ミニテーブル、クーラーボックスも助かります。枕もあるとないとでは寝心地が違いますし、百円ショップで買える洗濯用のロープやS字フックなどもあれば便利です。 また、数年前から車中泊愛好家やキャンプ愛好家の間で大ブームとなった“ポータブル電源”も、防災アイテムとして注目を浴びています。最近は低価格で高品質のものも登場していますので、チェックしてみてください」 ――この中で、最低限、車内に常備しておいてほしいものは? 「冬場は毛布、夏場はバスタオル、季節ごとの着替えなどを圧縮袋に詰めて、クルマのデッドスペースに入れておくのが『カーネル』メソッドの一つです。 要は、災害時によく言われる72時間をどう生きるか? 被災後3日を過ぎると生存率が著しく低下すると言われていますので、救助や救援などがやって来るまでどうやってしのぐかを一番に考えましょう。緊急時に必要なアイテムがセットになった車載用の防災グッズも販売されているので、こちらもオススメです」
――三種の神器をそろえて、いざ就寝。車内をフラットにするにはどうすればよいですか? 「まず、駐車する場所が平らかどうかを確認しましょう。キャンプをやる方はおわかりかと思いますが、ほんの少し傾斜があるだけでもマットと寝袋が下にずれていき、ストレスになるからです。 車内のシート上の段差は衣服やタオル、クッションなどで埋める、厚みのあるマットを使うことで解消できます。完全にフラットにできない場合でも、できるだけ足は体と同じ高さに。膝を下に曲げたままだとエコノミークラス症候群になりやすいので、足元に荷物などを置いて、体全体ができるだけ水平に近づくよう工夫してください」 ――前編では、スーパーやホームセンターの駐車場での車中泊避難の話題が出ましたが、他にもオススメの立地があれば。 「夏場は、暑さがこもるアスファルトではなく、土の上をオススメします。日中は直射日光が当たる場所を避けて、木陰に止めておくこと。何よりも効果が高いのは、“標高を上げる”ことです。標高が100m上がれば気温は0.6℃下がると言われています。 冬場は、クルマを駐車した場所が凍結しないか。積雪があった場合は、動けるうちに安全な場所に移動しましょう。レジャーの車中泊では、アイドリングストップが基本です。しかし、猛暑の夏や大寒波の冬では、エンジンオンでエアコンを使用してください。マナーよりも命が大切です。 ただし冬の場合、エンジンをかけたままだと積雪がマフラーをふさいで一酸化炭素中毒になる恐れもあります。平時は大丈夫だった場所でも、災害直後は危険が生じる場合も多くある。くれぐれも場所選びは慎重に、安全第一でお願いします」