放送期間50年…お化け番組『中学生日記』、歴代の生徒役は5000人以上…『金八先生』誕生の“きっかけ”に
このほか、72年から29年間も先生役を務めた故藤田康雄さんは現職の教師で名古屋市立の中学で教壇に立ちながらドラマの収録にも参加していた。市教委に兼業届を出して出演したそうで、雑誌『グラフNHK』(84年11月号)に「校務にはまったく支障はありません。毎朝8時には学校に着いて、生徒たちといっしょにほうきをにぎっています」と語っている。 番組では時代ごとに中学生が直面してきた社会問題が取り上げられ、校内暴力、不登校、いじめなどのほか、エイズ(後天性免疫不全症候群)、戦争と平和など多岐にわたった。特に70年代は学園ドラマの隆盛期で、「金八先生」は、中学生日記に刺激されて誕生したとも言われている。 ただし、Eテレに番組が移ってからは視聴率が1%前後に落ち込み、局側も打ち切りを決断。2012年3月16日に最終回を迎えた。「日記生」とも呼ばれた歴代の生徒役は5000人以上。名古屋が育んだ唯一無二の番組だった。 ◇ ◇ ◇ ○…生徒役はオーディションで募ったが、その後は本格的に芸能界に進んで俳優になった人も多い。OB、OGには前身番組を含めて伊武雅刀、森本レオ、田山涼成、中野良子、竹下景子、戸田恵子、故川島なお美さん、近藤芳正、故岡田有希子さん、加藤晴彦、佐藤仁美らがいる。作家の家田荘子さんも出演した。最終回には竹下、戸田、近藤、加藤がゲスト出演。最後の1年間は先生役を俳優風間俊介らが務めた。
中日スポーツ