藤川球児の年俸アップはうれしいよ。選手の年俸を上げさせることも、監督の仕事【岡田彰布のそらそうよ】
選手の年俸をアップさせる。これも監督の仕事や
1500万円から3倍増の4500万円(推定)でサインした近本。オレは新人王を獲得して2倍増やった。今は結果を残せばお金がついてくる時代になったってことやな/写真=早浪章弘
自然と笑顔になった。つい最近のスポーツ新聞よ。関西のスポーツ紙は相変わらず、連日阪神の話題ばかり。12月に入ると、景気のいい金の話のオンパレードや。そう、契約更改。年に1度、球団側とジックリと話し合える機会なのだが、そんな中、藤川球児が交渉に臨み、あくまで推定だが6000万円アップの年俸2億円で更改したとのこと。これは立派なことよ。いろいろな道を歩み続け、一時「球児は終わった……」とまでささやかれたのに、今季、クローザーとしてよみがえった。 一度沈みかけたベテランが、再び脚光を浴びる。これは相当、厳しいことです。でも球児はやってのけた。その対価が2億円復帰……。球児にとっては金の問題ではないと思う。生き様というのか、彼の意地というのか、それが結実した1年やったと思う。と同時に、本当にリリーバーの道を選んで、ホンマ、よかったと、オレは痛感しているのだ。 球児が本格的にリリーフ投手になったのは2004年から。それまでは先発投手やったけど、限界があった。オレは球児に進言し、監督になった04年から、リリーフの軸としてポジションに就かせた。それが結果に出た。彼の持つ能力と、ポジションの特性がピタリとハマったわけで、もちろん、年俸もグングンと伸びていった。 こんなことを振り返りながら、オレは監督の仕事とは……とあらためて考えることがある。04年、星野(星野仙一)さんのあとを受け、監督を引き受けたとき、自分の中で決め事を作った。あまり周囲には明かさなかったけど「選手の年俸を・・・
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週刊ベースボール