2023年度の「税金滞納」倒産 82件 コロナ禍後に急増、前年度比3.4倍に増加
【産業別】金融・保険業を除く9産業で増加
産業別は、10産業のうち、金融・保険業を除く9産業で前年度を上回った。最多がサービス業他の22件(前年度比175.0%増)で、3年連続で前年度を上回った。次いで、卸売業の13件(同160.0%増)、製造業の11件(同266.6%増)、運輸業の10件(同150.0%増)と続き、4産業で件数が10件以上になった。 前年度は発生がなかった農・林・漁・鉱業2件、小売業8件、情報通信業4件と、幅広い産業で「税金滞納」倒産が発生した。
【負債額別】1億円以上が半数以上を占める
負債額別は、1億円以上が44件(前年度比266.6%増)で、2年連続で前年度を上回った。構成比は53.6%(前年度50.0%)だった。このうち、「1億円以上5億円未満」が24件(前年度比118.1%増)で2年連続、「5億円以上10億円未満」が12件(同1100.0%増)で4年ぶりに、それぞれ前年度を上回った。また、「10億円以上」が8件で、2年ぶりに発生した。 負債1億円未満は、全国企業倒産(年度)では7割以上(構成比74.2%)を占めるが、「税金滞納」倒産では半数に満たず、負債額レンジに偏りは見られなかった。
【資本金別】1千万円以上5千万円未満が約4割
資本金別は、「1千万円以上5千万円未満」が31件(前年度比210.0%増)で、2年連続で前年度を上回った。構成比は約4割(構成比37.8%)を占めた。次いで、「1百万円以上5百万円未満」が24件(前年度比200.0%増)、「5百万円以上1千万円未満」が14件(同600.0%増)と続く。 また、「1億円以上」(同300.0%増)と「5千万円以上1億円未満」(前年度ゼロ)で各4件と、大企業から中小・零細企業まで幅広く発生した。