河川の「一級」「二級」ってなんなんですか? 水質の良さが決め手なのでしょうか?→実は違います!
「水質」ではありません
川に架かる橋では、「一級河川」や「二級河川」と書かれた看板を見ることがありますが、この「一級」「二級」とは何を意味しているのでしょうか。「一級」や「二級」と聞くと、川の水質をランク付けしているとも考えそうですが、実際はそうではありません。 【スケールすげえ!!】これが「一級河川ごとバイパスした道路」です(写真) これらの言葉は、川の重要性や災害時のリスクにかかわる「災害レベル」の区別を表しています。 国土交通省によると、「一級河川」は、洪水や高潮などの災害が発生した場合に、その影響が特に大きく、人命や財産に対する被害が甚大であると想定される河川といいます。これらの河川は、国土の保全や国民の経済活動において重要な役割を果たすため、政令で指定された「一級水系」の一部として位置付けられます。 例えば関東地方では、利根川水系や荒川水系の河川が「一級河川」に指定されています。これらの河川は、産業や生活の基盤を支える重要な河川であり、国が直接管理しています。 なお、一般的に、一級河川の方が規模が大きく、洪水などの災害が発生した際の影響も大きいとされています。実際に、全国で一級河川に指定されているのは1万3994、二級河川は7090で、一級河川の方が数が多いというのも特徴です。 一方で「二級河川」は、一級水系に含まれない他の水系の河川で、地域的に公共の利益に重要な影響を与えるものとして、都道府県知事が指定したもの。二級河川は、各都道府県が管理し、地方における災害対策や河川整備の役割を担います。 一級河川と二級河川は、同じ水系内に同時に存在することはありません。つまり、同一の水系においては、すべての河川が一級または二級のいずれかに分類されます。国交省によると、埼玉県や滋賀県のように、二級河川が存在しない県もあるとのことです。 一級河川や二級河川以外にも、「準用河川」や「普通河川」という分類があります。準用河川は、市町村長が指定した河川で、一般的には比較的小規模な河川にあたります。普通河川は、一級、二級、準用河川に該当しません。 ちなみに、かつては国道も重要都市を通るか通らないかで「一級」と「二級」に分かれていました。しかし、1965年に道路法が改正され、国道はすべて「一般国道」として統一されました。
乗りものニュース編集部