【生命保険】一世帯当たりの年間保険料「平均37.1万円」だが…「損する契約、得する契約」の決定的差となる“4つのポイント”【お金のプロが解説】
広告なし、忖度ナシ。保険のプロによる辛口評価で14年間続くシリーズの最新版『NEWよい保険・悪い保険2024年版』(横川由理氏・長尾義弘氏監修、徳間書店)。本書より一部を抜粋し、今回は「得な契約・損な契約」を紹介します。誤解、思い込み、うっかり…ちょっとした差が明暗を分けます。保険の見直しにお役立てください。 【早見表】疾病別「平均治療費」…120の疾病の入院治療費/入院外治療費
生命保険は「高額な商品」。だからこそ、加入は慎重に
日本人の約8割が、なんらかの生命保険に加入しています。一世帯あたりの年間保険料は、平均で37.1万円です。 毎月の負担はそれほど重くないとしても、保険は超長期の契約であることを忘れてはいけません。20年間払い続けると742万円、30年なら1113万円になります。人生の中で、保険はマイホームの次に高い買い物だといわれるのもうなずけるでしょう。だからこそ、間違えない選び方をしてほしいのです。
【ポイント(1)】「営業員のお勧めプラン」に乗っかる危険
家電製品を買うときは、性能や価格をいくつも見比べたうえで、納得のいく製品に決めるはずです。ところが、これほど高額な商品にもかかわらず、保険は「営業員に勧められたから」という理由で選んでいる人のなんと多いことか(図表1)。 たしかに、保険のしくみは複雑で、商品の種類もたくさんあります。どれを選べばいいか悩んだとき、営業員のアドバイスは非常にありがたく思えます。 しかし、いっさい比較検討をせずに契約してはいけません。そのプランがあなたにとってベストとは限らないからです。不必要な保障に月5000円払ったとすると、結果的には数百万円も損をします。自分自身で比較することが必須です。 【もっと詳しく】営業員の本音は「自分の利益になる保険を販売したい」 保険の無料相談は、あちらこちらで行われています。親身になって話を聞き、プランまで提案してくれます。「任せてよかった」と思う人もいるはずです。 手間も時間もかけ、無料とは気前のいい話です。はたして親切心から相談に乗っているのでしょうか。 違います。相談員は保険を販売することが仕事です。保険を売ると保険会社から手数料が入り、それが収入になります。つまり、販売成績は収入を左右するカギなのです。そのため、相談者と販売者の内心には微妙な食い違いが生じます。 相談者の希望は、「自分に合った保険に、できるだけ安く入りたい」です。販売者の希望は「相談者の意向に添いつつも、手数料の高い保険、すなわち自分の得になる保険を提案したい」です。片方が利益を得ると、もう片方は不利益を被るといった、相反する立場にあるわけです。 無料相談で、完全に公平中立なアドバイスを期待することは難しいかもしれません。しっかりと商品を比較検討し、自分で選ぶことがもっともよい方法です。