映画『十一人の賊軍』のコラボビール十一本を飲む(其の一)
箱から取り出してビール11本とオリジナルグラスを並べてみると壮観だ。330ミリリットル瓶が11本てことは、全部で3630ミリリットル。3・5リットル以上ものビールを一日で飲むのはきつい。
ここは相棒を呼ぶしかない。相棒とはビールを一緒に飲んでくれる仲間のことだ。11本を一気に飲むとなると、休みの日しかない。映画を見てから飲むので、条件の合う日は試写会当日しかなかった。2人に連絡を取ると、1人はNGだったが、もう1人は16時から参加できるという。1人当たり1・8リットル強なら飲み切れる。
問題は飲む場所だ。ビールを11本も持ち込める飲食店など知らない。思案していると、相棒から「こんな施設があります」というメールが。レンタルスペースだ。早速、格安の部屋を16時から4時間予約した。あとは当日、レンタルスペース近くのコインロッカーにビールを入れて試写会へ向かい、16時きっちりからビアフライトをスタートさせればいい(ビアフライトとはビールの飲み比べのこと)。
準備は万端。そう思っていたら当日の朝に相棒からメールが届いた。
「おはようございます。発熱してしまいました。今日のビアフライトはキャンセルしてください。申し訳ありません」
試写会が始まるまで2時間半を切った。どうする?(この項続く)
■鈴木 学(すずき・まなぶ) サンケイスポーツWEB編集長。第1次東京五輪世代(第2次は2021年に誕生した)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。現場記者時代は紙上で予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。現在は、「サンスポZBAT!競馬」にてWEB限定長編予想エッセー「居酒屋ブルース」を連載中。競馬は仕事で、クラフトビールの飲み歩きが趣味。