映画『十一人の賊軍』のコラボビール十一本を飲む(其の一)
今回の映画とクラフトビールのコラボはどのような理由から生まれたのか?
Oさんによると、前述の通り映画の舞台が幕末の新発田藩なので、撮影に協力してくれた地場との取組のひとつだったという(コラボビールだけでなく、同じく新発田市に本社を置く菊水酒造が「十一人の賊軍 純米大吟醸」を出したり、地元で販促用の手ぬぐいを作ってもらったりしたそうだ)。
もうひとつの理由が『十一人の賊軍』のターゲット層が30~40代の男性であること。「この層は自由に使える可処分所得が多く、いわゆる動画配信サービスを利用するなど自分の趣味を楽しむ世代という仮説から、自分の好きを貫いていいビールを求める方にアプローチしています」とOさん。
クラフトビールは国内大手のビールに比べて値段がかなり高く、趣味にお金を使える人が多いというのは納得がいく。
Oさんは「それとクラフトビールはすでにコラボ文化があり、エンターテインメントとの相性がいいですからね。いろんな種類のビールがあって、この映画では11人の多種多様なキャラクターが登場しており、その11人のイメージに合わせた11種類のビールを造れたように相性がいいんです」とも。
この一言で、今回の飲み方が決まった。映画を見てから、どのビールがどの登場人物なのかを推理しながら飲もう! 往年の角川映画のキャッチコピー風にいえば、「飲んでから見るか、見てから飲むか」なら「見てから飲む」ほうが断然いい。
ありがたいことに試写会を見る日より前にクラフトビールが届いた。段ボール箱を開けると、さらに黒い箱が入っていた。段ボールから取り出そうとすると、330ミリリットル瓶のビールが11本も入っているだけにずっしりと重い。赤い文字で印刷された映画のタイトルがおしゃれだ。タイトルの上にある、同じく赤色のロゴは? 月岡ブルワリーのサイトを見ると<商品ロゴは映画のストーリーの鍵となる焙烙玉(ほうろくだま)を月岡ブルワリーのロゴにブレンドして表現しています>とある。月岡ブルワリーのロゴは岡(丘)の上に昇る月をデザインしたもののようだが、こちらは月が焙烙玉になっている。それが映画でどんな鍵となっているのか、試写会で確認しよう。