公立学校の教室に「モーゼの十戒」掲示義務化、州民が米ルイジアナ州政府を提訴
米南部ルイジアナ州で、州内すべての公立学校の教室に「モーゼの十戒」を掲示することを義務付けた新法を巡って24日、新法は信教の自由を保障した米憲法修正第1条に違反しているとして、州内の9家族が州政府を集団で提訴した。 ルイジアナ州の公立学校に通う子供たちの親でもある牧師のジェフ・シムズさんは、原告となった9家族のうちの1人だ。 「この新しい法律は、私や子供たちの信教の自由を侵害するだけではなく、踏みにじるものだ。政教分離とは、子供たちに宗教の経典や文書をいつどのように教えるかを決めるのは家族であり、州ではない、ということを意味するものだ」 ルイジアナ州のランドリー知事は先週、この法案に署名し、同州は全米で唯一、十戒の掲示を義務付ける州となった。これは信仰の表現を社会の中でより目立たせようという保守派団体の取り組みの一環だ。 こうした法律が法廷闘争に持ち込まれた場合、最終的には保守派が多数派を占める米最高裁判所で有利な判断が示されるのではないかと期待する声もある。 米最高裁は1980年に、公立学校に十戒を掲示することを義務付けたケンタッキー州の法律に対し、違憲判断を示している。しかし2022年には、ワシントン州の高校のフットボールコーチが試合後にフィールドで選手たちと一緒に祈る憲法上の権利があると主張したのに対し、これを支持する判断を示している。 ランドリー知事の事務所にコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。