母国の自由、民主主義守る ウクライナ避難者のオルガさん、千葉・茂原の高校生に力説
ロシアによるウクライナ侵略で日本に避難してきたパンコーヴァ・オルガさんが17日、千葉県立茂原高校(同県茂原市)で母国の現状などについて講演した。戦争から来年2月で丸3年。出口の見えない情勢が続く中、避難先の関係者への感謝とともに、母国の文化や歴史を紹介した。 オルガさんは敬愛大(千葉市稲毛区)の卒業生で、日本に避難後の令和4年4月から敬愛大・敬愛短期大の地域連携センターで勤務している。一緒に避難した長男は現在、千葉市内の中学校に通う。国際社会や多文化共生社会に貢献する人材教育の一環として、茂原高がオルガさんを講師に招いた。 この日、ウクライナの民族衣装姿で登場したオルガさんは、茂原高全校生徒約480人を前に、母国の歴史・文化のほか、侵略戦争の勃発当初や現在の首都キーフの様子を日本語で紹介した。 今夏、首都キーウに一時帰国した際、自宅の窓に国旗を掲げたり、民族衣装を着用したりする光景を目にした。「愛国心の高まりに気づいた。そして毎朝、戦死者への追悼の意を表すために黙祷(もくとう)をささげるのが習慣になっている」 激しい戦闘が続く現状については「ウクライナが自由になれるか、民主主義を守れるかが決められようとしている。自由を愛するウクライナ国民は侵略に抵抗し続ける」と語りかけた。 講演後、茂原高生徒会長の佐久間優李さん(2年)が全校生徒を代表し、「自国愛を忘れず、平和を願って活動しているのを知った。自分ごととして感じることができ、早く平和が訪れることを祈っている」と感想を語った。 茂原高では講演に続き、来年1月にオルガさんと一緒に、ボルシチなどウクライナ伝統料理の体験教室を開く予定だ。(岡田浩明)