大学187㎝逸材がプロへ…韓国GKキム・ジンヒョンから貰ったグローブで叶えた“J内定”
尊敬するキム・ジンヒョンから貰ったグローブを必ずはめて4年間プレー
その姿を栗田監督始め、周りのスタッフ、選手たちが見てきたからこそ、同じ4年生の韮澤廉、後輩の藤井も好パフォーマンスを見せていた状況で、上林を起用する決断を下したのだろう。その思いを一番理解しているからこそ、上林はピッチ上で常に声を張り、敗退後も毅然とした態度で真摯な立ち振る舞いをし続けた。 「周りの人から信頼されるGKになりたい」と語り、心身ともに逞しくなって帰ってきた彼の手には、尊敬するキム・ジンヒョンから貰ったグローブがはめられている。上林がC大阪U-18時代に8セットのグローブをもらい、明治大に来てからは公式戦では4年間必ず手にはめてプレーをしている。 「ジンさんはうまくて、強くて、頼り甲斐のあるGKであり、人としても本当に学ぶことが多い。ずっと尊敬している選手で、憧れの選手。セレッソに戻ることが決まった以上、自分が超えていかないといけない存在。ジンさんから貰ったグローブを公式戦で手にすることで集中できるというか、意識が高まるんです」 比較的劣化するのが早いGKグローブをいくら8セットあるとはいえ、4年間も綺麗な状態で使い回せるということは、彼がいかに丁寧にメンテナンスをしているのかが分かる。「そうです、部屋は綺麗です」と笑うように、元々の性格もあるが、それだけ上林は感謝の気持ちをしっかりと大切に表現できる。だからこそ、怪我で離脱中も周りから信頼されるだけの行動を取ってきた。 「僕は明治に来ていなかったらセレッソに戻ることも、そもそもプロサッカー選手になれたかどうかも分からなかった。サッカーだけではなく人間的な部分も成長させてもらって、ここに来て良かったなと思っています。だからこそ、恩返ししたいですし、リーグ優勝、日本一を後輩たちに見せて、『明治でやり切ったな』という思いを持ったうえで、次のステージに進みたいです」 残り数か月の大学生活。上林は周りの信頼と尊敬を集める守護神として真っ直ぐに歩き、目標を果たしてから、尊敬するキム・ジンヒョンとのポジション争いに挑んでいく。
FOOTBALL ZONE編集部