ソフトバンク・山川が本拠地初本塁打含む5打点の存在感「どすこいできて、うれしい」
(パ・リーグ、ソフトバンク9-7オリックス、4回戦、ソフトバンク3勝1敗、19日、ペイペイドーム)これぞ千両役者だ。ソフトバンク・山川が豪快な3ランで昨季の新人王右腕を粉砕した。両軍2桁安打を記録した乱打戦の勝敗を決定付けたのはトンネルから抜け出した鷹の主砲だった。 「山下投手のストレートは誰がどう見てもすごい球。そこを一発で打てたのは良かった」 5-4の四回2死一、三塁で甘く入った直球を完璧にとらえた。「完全に納得です」。打った瞬間、柵越えを確信した。ダイヤモンドを一周し、ベンチに戻ると観客席を埋め尽くした鷹党と一緒に「どすこ~い!」。今季初めて本拠地で一発を放ち、ペイペイドームを熱狂の渦に巻き込んだ。 一回に先制打、六回にもリードを広げるタイムリーで今季初の猛打賞。5打点と荒稼ぎし、今季21打点でリーグトップを独走する。 ようやく不振から脱却した。試合前の時点で13打席無安打で打率は・194と苦しんでいた。札幌からの移動日だった18日は自宅で素振りをして修正に励み、それが結実した。小久保監督は「きょうは真っすぐをしっかり打ちにいけそうな雰囲気はあった。結果が伴うと自信につながるでしょうし」と目を細めた。 打者の苦しみをよく知る男は懐も深い。この日の試合前の練習でオリックス・頓宮と談笑。京セラで行われた開幕カードでは自身のこれまでの経験を踏まえて不振に悩む敵軍の後輩に助言していた。敵に塩を送る理由は優しさではない。正々堂々と戦いたいから。困っている人がいれば、敵軍であっても手を差し伸べるのが山川流だ。 「(福岡でどすこいができて)うれしいし、これからもやっていきたい」 山川が打点を挙げれば、6戦全勝。常勝軍団の復権は4番の活躍にありだ。(織原祥平)