ゴルフ界のジェンダーギャップは埋められるか 女性ゴルファーの半数近くが「理不尽」を経験
このセミナーを開くにあたり、女性を対象にゴルフに関するアンケートを実施したところSNSなどで予想以上に拡散され、12日間で全国から567人の回答が集まった。「ゴルフ界に物申したい」という方が多かったのだろうか。 ほかにも回答を見ると、女性ゴルファーにとって今のゴルフ界で足りないこと、対策や改善すべき点などが述べられていた。 ゴルフ場や練習場、用品業界などの方にも参考になる(耳が痛くなる)ものが多く、もしかしたらゴルフ界に限らず、日本社会全体にも言える話かもしれないので紹介したい。
■半数近くが「理不尽」を感じている アンケートに応じてくれたのは、全国28都道府県の20代から80代までの567人。最も多かったのが50代の233人。ゴルフをやっている人は471人だった。 また267人が「ゴルフ歴でブランクがあった」と答えている。その理由は以下の通りだった。 「ゴルフをする中で『女性だから』という理由で理不尽な思いをしたことはありますか?」という設問については、「ない」が265人。ちょっとホッとしたが、半数近くは理不尽を感じている、感じたことがある、という。
その理由は「用具にバリエーションがない」(84人)、「ティーイングエリアの使用に言いがかり」(71人)、「他のゴルファーからの扱い」(65人)と続く。 「ティーイングエリア」とはホールで最初のショットを打つ場所のこと。飛距離のレベルによってティーマークでいくつかに色分けして設定され、一般男性用のレギュラー(ホワイト)ティー、女性用のレディス(レッド)ティー、シニアティー(ゴールド)などがある。 ティーイングエリアについてはレギュラーティーからプレーしようとしたら、「女だから“赤”からだろう」などの言いがかりをつけられた例が多いようだ。
具体的なコメントを拾うと「女性用トイレが少ない」や、「ロッカールームや浴室が男性よりも貧弱」など施設面についての不満がある。 施設面は改善していけるだろうが、女性ゴルファーに対する偏見は一朝一夕に解決しない。 実際、コメントを見ると、コンパニオンやキャディのように扱われた、という人や、「女性のくせに」や「ゴルフをする余裕がある生活をしている」といった嫌味を言われた人もいた。指導してあげる、と近寄ってくる「教え魔」の存在に嫌気をさす人もいる。