日本初の女性、女子高生、ダークヒーロー… 三者三様の「弁護士」が 躍動する4月法曹ドラマを楽しむための基礎知識
2つある事件の種類をおさえることで上がる解像度
「事件の種類についても理解しておくと状況理解の解像度が上がるでしょう」と辻本弁護士は助言する。事件の種類とは、「刑事事件」と「民事事件」だ。 「ドラマで取り上げられる法廷のシーンでは、口頭でのやり取りが劇的に描かれていたりしますが、あれは主に刑事事件のケースです。民事事件では書面でのやり取りが中心で、発言するとしても『書面のとおりです』ということがほとんどです」(辻本弁護士)
現実でも16歳で司法試験に合格した高校生が存在する
また、『JKと六法全書』では主人公が史上最年少で司法試験に一発合格した現役女子高校生という設定。ドラマらしい設定だが、現実では今年2月に司法試験予備試験の合格者として、16歳(2023年末時点)が史上最年少で合格したことを法務省が発表している。 予備試験は、合格すれば法科大学院を修了していなくても司法試験の受験資格が得られ、実力さえあれば弁護士になれる試験制度だ。実際に弁護士として活動するには、司法修習などを経る必要があるが、女子高生弁護士が、決して荒唐無稽な設定でないと考えれば、ドラマの楽しみ方も変わるだろう。 最後に、辻本弁護士に、お気に入りドラマトップ3を教えてもらった。 「『SUITS/スーツ』『The Good Wife/グッドワイフ』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』です。すべて海外ドラマですが、シリーズもので深く描かれているのでひき込まれます。もちろん誇張はありますが、裁判だけでない弁護士の仕事の実状がしっかりわかるうえにストーリーも面白い。みれば弁護士という仕事への興味もわくのではないでしょうか」
弁護士JP編集部