340km/hクラッシュまで“0.5cm”。ラッセル、ペレスの徹底ディフェンスで「宙に飛ばされるかと思った」
メルセデスのジョージ・ラッセルはF1イタリアGP決勝で、レッドブルのセルジオ・ペレスと8番手争いを繰り広げた際、危うくエアボーンクラッシュを喫するところだったと語った。 【動画】アントネッリ、F1公式セッションデビューも痛恨のクラッシュ|F1イタリアGP FP1 スタート直後の混乱でフロントウイングを破損したラッセルは、2回目のピットストップを終えて12番手でコースに復帰。RBのダニエル・リカルドとウイリアムズのアレクサンダー・アルボンを素早く抜き去った。 38周目にラッセルはペレスに襲いかかったが、そのペレスは厳しいディフェンスを見せ、第1シケインで進路を塞ぎ、行き場を失ったラッセルは右タイヤを芝生に落とすこととなった。 しかしラッセルはそのままペレスのオーバーテイクを完了。最終的に7位でチェッカーを受けた。優勝したフェラーリのシャルル・ルクレールからは39.7秒差だった。 ラッセルはレース後、2台のスピードと行き場の無さから、ペレスとのバトルはあまりにも危険だったと指摘した。 ペレスとのバトルは楽しめたか? と訊かれたラッセルは次のように答えた。 「えーっと、楽しかったかって? 彼が340km/hで僕を詰めてきて、空中に飛ばされるんじゃないかと思ったから、あれを楽しいって言えるかどうか分からないよ。でもハードなバトルで、少なくともひとつポジションを上げることができた」 「本当に限界ギリギリだったよ」 とはいえ、ラッセルはこの件についてペレスと話し合うつもりはないようだ。 「何も言うことはないよ。結局、今回はクラッシュしなかったし、僕は彼を抜いた。でも0.5cm詰められていたら違う展開になっていたかもしれない」とラッセルは語った。 ラッセルとペレスが接触しかけたのは2台がシケインへ向けてブレーキングをする前のことだったが、メルセデスのトト・ウルフ代表は、ペレスのディフェンスが「おそらくブレーキング中に動いた」と考えられると説明した。 「ギャップは十分だったか? あのギャップは小さかったが、かなり遅れてのムーブだった」 ウルフ代表はそう語った。 なおペレスはラッセルから14.4秒差の8位でレースを終えた。ふたりは現在、ドライバーズランキングで接近しており、ペレスが143ポイントで7番手、ラッセルが128ポイントで8番手という状況だ。
Benjamin Vinel